進む“脱炭素”の流れ タイヤ各社も動き加速 一部メーカーは目標の見直しも
世界的に“脱炭素”を目指す動きが加速している。菅義偉首相は10月末に温暖化ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を掲げた。欧州連合(EU)でも2019年に同様の目標を立てており、中国は2060年までにCO2排出量実質ゼロを目指すことを表明。米国も大統領選で勝利を確実にしたバイデン氏がパリ協定への復帰を公約にする。近年のこうした潮流の中、タイヤメーカー各社でも事業活動における柱の一つとし…
ブリヂストンは10月22日、都内で報道陣向けに開催した技術イノベーションの発表会で、日本航空(JAL)と共同で実施している航空機タイヤのソリューションビジネスを紹介した。 現在、ブリヂストンではゴムという独特な特性を持つ素材を扱う中で培った経験値やデータを活用し、多くのタイヤを開発してきたリアルの強みとデジタルを融合したソリューション事業を推進している。その一例がJALグループの地域路線を運航…
住友ゴム工業は10月1日から31日まで全国のダンロップ直営店で実施したタイヤ点検活動の結果、25%の車両が整備不良だったと11月27日に発表した。 同社はタイヤに起因する事故の未然防止を目的に、タイヤの残溝や空気圧、表面の損傷などの点検活動を2008年から継続して実施してきた。今回の活動では合計2137台の車両を点検。その結果、タイヤの整備不良率は25・0%、整備不良項目では残溝不足が19・7…
京都機械工具(KTC)は11月25日、顧客と自社のビジネスでDX(デジタルトランスフォーメーション)を展開する「T&M事業」の発表イベントをオンラインで開催した。 挨拶に立った田中滋社長は「CASE時代を迎え、事業モデルの変革を進めてきた。それが本日ローンチするT&M事業だ」とコメント。“つながる&見える化”を意味するT&M事業では、「TRASAS(トレサス)製品群」や、その普及に携わるパート…
住友ゴム工業はスーパーコンピューター「京」を利用した研究がHPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)利用研究課題優秀成果賞を受賞し、10月30日にオンライン成果報告会に出席した。 今回受賞した研究は「タイヤ用ゴム材料の大規模分子動力学シミュレーション」で、タイヤの耐摩耗性の改善に寄与するゴムの高強度化を目的としたもの。 従来は、ゴム内部のシミュレーションをマイクロメー…
ブリヂストンは11月12日に開いた会見で2023年までの中期ビジネスシナリオに基づく事業戦略の進捗を発表し、石橋秀一CEOは構造改革を進めながら、戦略の実行を支える体制の整備に取り組む方針を示した。「これまでの強みを活かしながら体質変化と新たな成長戦略を実現し、2023年に筋肉質で環境変化に対応できる“強い”ブリヂストンに進化する」と意気込む。 経費・コストの構造改革は主にタイヤ・ゴム事業で実…
全国で自動運転バスの実用化に向けた実証実験が行われている。タイヤのトラブルを未然に防ぐために、タイヤメーカーも最新の管理システムを導入して取り組みをサポートしている。 ブリヂストンは11月16日、グループ会社のブリヂストンタイヤソリューションジャパンが西日本鉄道と西鉄バス北九州が実施する北九州エリアでの中型自動運転バスの実証実験のサポートを行っていると発表した。 「中型自動運転バス実証実験」…
独コンチネンタルは11月12日、次期取締役会の会長にニコライ・セッツァー氏が就任する人事を発表した。任期は2020年12月1日から2024年3月まで。健康上の理由により、11月30日付けで辞任するエルマー・デゲンハートCEOの後任となる。 デゲンハートCEOは「監査役会の決定を歓迎し、ニコライ・セッツァー新会長とコンチネンタルの大きな成功を祈る」とコメントした。セッツァー氏は、「全世界の経営幹…
大型車(車両総重量8トン以上のトラックまたは乗車定員30人以上のバス)のホイール・ボルト折損によるタイヤ脱落事故が2019年度に112件発生したことが国土交通省のまとめで分かった。件数は4年連続で増加し、統計のある2004年度以降で最多となった。人身事故は4件あり、このうち1名は重傷を負った。 今回の統計では、事故は10月から2月までの冬期に75件と集中しており、地区別では東北が48件と最も多…
東洋精器工業がこのほど発売したバランスウェイトを装着する際に効率的な作業を実現する「ウェイトセッター ぺた2(ぺたぺた)」。同社販売企画部の青木茂雄技術部長兼横浜支店長は「タイヤ整備作業で現場の声を活かした全く新しいツールであり、作業負担低減や作業時間の短縮、作業品質の均一化、経費削減にも寄与できる」と期待を込める。その上で「修正箇所をピンポイントで照射できるホイールバランサーを使用し、更にこの…
ブリヂストンは10月22日、「ブリヂストン・イノベーション・ギャラリー」を報道陣に公開した。この施設は、昨年閉館した企業博物館「ブリヂストンTODAY(トゥデイ)」をリニューアルし、同社の歴史や事業活動、未来に向けた取り組みを紹介するもの。間もなく一般に公開する予定。 「イノベーション・ギャラリー」は、同社が東京都小平市の技術開発拠点を再構築して開設する「ブリヂストン・イノベーション・パーク」…
空気圧不足などタイヤの適正管理が行われていないケースが依然として目立っている。JAF(日本自動車連盟)のロードサービスでタイヤ関連の救援は2割前後で高止まりしており、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が行っている点検活動でも乗用車の4台に1台が空気圧不足のまま使用されている。一方でこうした状況を改善するため、新たな訴求方法も始まっている。 JAFの2020年度上期(4~9月)のロードサービス救…
ブリヂストンは12日、2020年12月期の業績予想(国際会計基準)の上方修正を発表した。新型コロナウイルスによる影響が不透明だったが、第3四半期(7~9月)に人とモノが動きや経済活動が再開してタイヤ需要が回復基調にあるため。第4四半期(10~12月)にはコロナの感染再拡大による影響が見込まれるものの、上期よりその規模は小さいことも想定している。 売上高に当たる売上収益は前期比17.6%減の2兆…
横浜ゴムは10月26日、AI(人工知能)利活構想「HAICoLab」(ハイコラボ)を策定したと発表した。AIでは難しいデータの存在しない未踏領域も含めた知見の探索を可能にし、プロセスや製品、サービスの革新を目指す。同社では、「ユーザーエクスペリエンスの向上、内閣府の提唱するAIやIoT(モノのインターネット)などの革新技術により実現する未来社会の姿『ソサエティ5.0』の実現に貢献する」としている…