国内タイヤ4社の7~9月、需要回復鮮明に 通期業績予想の上方修正も

 国内タイヤ4社の第3四半期(1~9月)決算が出揃った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で上期は需要が大きく落ち込んだものの、7~9月にかけては米国や中国などで回復が進んだほか、高性能タイヤの販売などが好調で、全社が通期の業績予想を上方修正した。引き続きコロナの影響や天然ゴム価格の上昇といった不安材料はあるが、今後の業績回復が期待される。

1-9月期業績および通期予想 ブリヂストンの第3四半期累計業績は調整後営業利益が前年同期から約5割減少した。費用の見直しや売値原材料スプレッドが増益に働いた一方、数量減と加工費の悪化が響いた。四半期利益は減損損失などの計上で赤字となった。

 ただ7~9月期は、4~6月期に落ち込んだ販売が回復したことで売上収益、調整後営業利益ともに1~3月期を上回る水準まで回復した。7~9月期の販売本数は、乗用車・小型トラック用とトラック・バス用がともに約1割減にとどまった。補修用の回復が著しく、中でも18インチ以上の補修用大口径タイヤは前年実績を上回ったほか、地域別では欧米や中国で市況が改善した。

 タイヤ事業の累計売上収益を財別にみると、乗用車・小型トラック用は19%減の1兆180億円、トラック・バス用は21%減の4722億円。鉱山・航空機・農機・二輪用を含む特殊製品は20%減の2374億円で、利益率は14.9%と2ケタを確保した。

 通期では、日本は10~12月期に新車用・補修用ともに緩やかな回復を見込む。グローバル販売本数は乗用車・小型トラック用、トラック・バス用、ORR(建設・鉱山用)の全てで前年比16~20%減と予想した。

 調整後の営業減益要因には販売数量減や加工費の悪化を挙げた。当期利益は赤字の見通し。石橋秀一CEOは非経常損失の計上について「過去の事業を見直して減損が必要だと判断した。また生産拠点の再編は将来を見据えたもの」とコメントした。

 住友ゴム工業は7割の減益だった。欧米などで販売本数増や構成の良化や経費の抑制がプラスに寄与したものの、新型コロナの影響を受けた。タイヤ事業の売上収益は16.4%減の4610億2900万円、事業利益は61.0%減の77億1300万円で、タイヤ販売本数は18.5%減の7546万本。

 7~9月の新車用の販売本数は国内14%減、海外24%減だった。市販用は国内が28%減、海外は3%減だったものの、SUV用タイヤが好調だった北米は7%増、アジアは中国が好調で2%増となった。

 なお、中国や北米の市況回復を反映し、通期の業績予想を上方修正した。タイヤ事業の売上収益は前期比13%減の6670億円と従来予想から220億円上振れる。事業利益は37%減の295億円を見込む。

 横浜ゴムは販売量や製造原価のマイナスが響き、事業利益が約6割減少した。タイヤ事業の売上収益は16.4%減の2662億5000万円、事業利益は95.7%減の5億1100万円。

 タイヤ販売本数は上期(1~6月)にいずれの地域も減少したが、7~9月期は中国が16%増加したほか、欧米も前年実績を上回った。国内は新車用が4%減まで回復した一方、市販用は22%減となった。

 ATG事業は売上収益が11.7%減の473億7600万円、事業利益は17.7%減の62億3300万円。農業機械用などのオフハイウェイタイヤは「市販向けを中心に需要が回復基調にある」(同社)という。

 通期の売上収益は8月予想から290億円上方修正した。同社では「中国市場を中心として想定以上に市況が回復し、オフハイウェイタイヤが堅調に推移した」と説明している。タイヤ販売本数はグローバルで9%減と予想した。

 TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は需要の回復が寄与し、7~9月期のタイヤ事業の営業利益は142億9300万円と前年同期より2割増えた。

 北米市場では大口径のライトトラック用タイヤやSUV用タイヤに加えて、オールシーズンタイヤが好調だったほか、欧州の市販用も前年並みの水準まで戻した。グローバルでのタイヤの販売本数は1~9月累計では13%減となったものの、7~9月は8%減までマイナス幅が縮小している。

 第3四半期累計のタイヤ事業の売上高は9.5%減の2206億9000万円、営業利益は14.5%減の240億2600万円だった。

 通期業績予想は上方修正した。「経済活動の再開に伴い、北米市場などが想定よりも早期に回復しつつあるため」(同社)としている。


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