タイヤメーカー各社の首脳に聞く2023年の展望

 感染拡大から4年目となる新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻、物価高、エネルギーコストの上昇など国内外で政治経済に大きな影響が表れる中、様々な課題に対していかに対応して活路を開いていくのか  1月26日に日本自動車タイヤ協会(JATMA)が開いた賀詞交換会に参加した幹部に2023年の展望を聞いた。

□ブリヂストン 東正浩ジョイント・グローバルCOO
 「中期事業計画の最終年である今年は、ソリューション事業で柱にしていくビジネスモデル、継続して投資を拡大していく領域を見極めていく。タイヤ事業のプレミアム化に関しては、『エンライトン』が次の商品やビジネス戦略の中心になるが、これに対する投資も世界各国で着々と進んでいる。
 また、昨年は2度値上げを行ったが、日本市場で値上げを浸透させていくことはチャレンジで、今でも粘り強くお客様にご理解頂けるよう取り組んでいるところだ。今のコスト高は、以前のように原材料だけ、あるいは物流費だけが上がっていた状況とは異なり、我々もしっかりと対応していかなければいけないと考えている」

□住友ゴム工業 山本悟社長
 「自動車業界は非常に大きく変化している。厳しい環境下だが、カーボンニュートラルをはじめ、将来に向けて業界全体で新たな方向に進んでいくだろう。そのスピードをいかに上げていくか、CASEやMaaSへの対応を含めてタイヤとして役に立てる部分に取り組んでいきたい。
 また、当社ではEV(電気自動車)向けタイヤの展開のほか、タイヤセンシング技術『センシングコア』の開発も推進している。この技術は、CASEやMaaSが浸透した社会に必ず必要なものだと考えている」

□横浜ゴム 山石昌孝社長
 「今年は中期経営計画の最終年だが、今までに組んだ計画を粛々と進めるのが大前提だ。タイヤ事業では中計初年度に“冬の陣”、昨年は“夏の陣”を展開し、それぞれウィンタータイヤ、『アドバン』の新商品を発売したが、今年は“泥試合”をテーマにし、『ジオランダー』を中心に拡販を図る。
 今後は価格競争が厳しくなると思うが、そういう中だからこそ、高付加価値商品をきちんと販売し、狙った収益を達成していきたい」

□TOYO TIRE(トーヨータイヤ)清水隆史社長
 「今年は中期経営計画の中間点になるが、セルビア工場を着実に軌道に乗せていく。
 中計で掲げたROE(自己資本利益率)12%以上の目標に対して現在は16%ほどとなっており、重点商品の比率は55%以上を掲げているが、これも既にクリアできている。
 問題は営業利益率で、14%超の目標に対して、エネルギーコストや原材料価格の高騰が影響している。2023年前半は厳しい状況が続くが、後半にかけて徐々に正常化していくことに期待している」

□トーヨータイヤジャパン 山邊憲一社長
 「1月に全国5支社を廃止したが、これまで拠点の統廃合を進め、営業所の数自体が減ってきていた。事業環境が次々と変わる中、本社の方針をダイレクトに伝えることで意思決定の迅速化を図ることが目的となる。これにより情報の浸透、取り組みの徹底度を高めていく」

□日本ミシュランタイヤ 須藤元社長
 「本社を群馬県に移転する目的は、“コラボレーション”だ。集合知を実現するために1カ所に集約した。見た目は変わらずとも、中身は変わっているということを目指していきたい。『集まることで何をしたいか』に意味がある。私を含め皆で取り組んできたことであり、期待を持っている。
 今後は大きな社会課題に対し、一人でできることは限られてくるが、チームが大きくなれば対処できる物事も広がる」

□日本グッドイヤー 金原雄次郎社長
 「昨年発売したオールシーズンタイヤは、欧州の供給体制が紛争の影響を受け、思うように輸入できないこともあった。今年はなんとか安定化させたい。商品はお客様から非常に良い声を頂いている。オールシーズンでありながら燃費や静粛性に優れており、従来品比で性能向上も実現しているので、今までの商品以上にご満足いただけると考えている。
 事業環境に関して一つ言えるのは、コストが上昇基調にあることだ。コストが上がったからといってすぐに値上げを行うべきではないと思うが、我々もまだコストを吸収しきれていない部分があり、慎重に考えなければいけない」

□全国タイヤ商工協同組合連合会 西潟幸雄会長
 「この3年間はコロナ禍で主な活動ができなかったが、このままでは我々の活動の目的、存在価値が低下してしまう。今年は感染状況を注視しつつ、対面でブロック会議や青年部協議会なども再開したい」


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