ブリヂストンタイヤソリューションジャパン
生産財タイヤの知識と技能を底上げ図る
ブリヂストンタイヤソリューションジャパン(以下BTSJ)は5日、福岡県北九州市内で「第1回ソリューションエンジニアコンテスト」と「第13回技能グランプリ全国大会」を開催した。「ソリューションエンジニアコンテスト」は輸送業者へのソリューション提案力の向上を目的とする。これまで生産財セールスマンコンテストとして開催していたが、それを継承し現在のタイヤ生産財事業への取り組みにふさわしい内容と呼称に改めた。今年が初めての開催。「技能グランプリ」はトラック・バス用タイヤ販売店のスタッフを対象にタイヤメンテナンスの品質向上を目的とする。コロナ禍の20年は中止、21年は延期し22年に第11回と第12回を行い変則的な開催となったが、今年は通常のペースに戻した。
ブリヂストンは先に「中期事業計画(2024—2026)」を策定した。「〝新たなプレミアム〟を創造するプレミアム事業・ソリューション事業へフォーカス」することで、2030年長期戦略アスピレーション(実現したい姿)に沿った変革を加速する考えだ。
ソリューション事業で〝やること〟として「成熟国中心でのタイヤセントリック(中心的な)ソリューション事業拡大」と「トラック・バス系サービスソリューションネットワークでのグローバル×リージョナル(地域)戦略の構築」を明確化した。単に「モノ(タイヤ)を創って売る」だけでなく、タイヤから得られたデータをベースとして「価値を創って売る」ことで事業の一層の成長を目指す。
日本市場では「TPP」(トータルパッケージプラン)と連動したサービスネットワークの強化を図る。またトラック・バス系と小型トラック・バス系タイヤの「B—Select」店拡大を図り、23年約400拠点に対し26年約550店を目指す。これらと連動し強力に推進するのがソリューションエンジニアと技能マイスターの育成だ。
今回開催のコンテストでは、BTSJから副社長兼ソリューション事業担当兼小売・サービス事業担当の吉眞弘氏、TB・LTソリューション事業本部TB・LTソリューション事業推進部長の原田祐輔氏、執行役員技術サービス本部長の菊地俊夫氏が登壇した。
吉眞副社長は「輸送事業者の皆様の困りごとに対し、ソリューションとして提供する取り組みがタイヤセントリックソリューションの考え方。それを実現する現場がもっとも重要だ」と話す。
その上で「顧客の課題を適切に把握し最適なソリューションを提案する」ソリューションエンジニア、「高品質のメンテナンスサービスを提供し、稼働を最大化する」技能マイスター、それぞれの指導キーマンの輩出・育成が大きな鍵を握ることとなるとした。なお顧客に対し優れた提案活動・課題解決力を持つスタッフを「ソリューションエンジニア」として年内にも社内資格化することを明らかにした。
ソリューションエンジニアコンテストは、輸送事業者の最適なソリューションを提案するスキルをロールプレイング形式で競った。今回は6月から全国各県で地区予選を開催。307名の中から80名が7月のエリア予選に進出。さらにその中から16名がこの日の全国大会に臨んだ。
一方、技能グランプリは、全国の生産財型のブリヂストンタイヤショップ(BTSJ直営含む)334名が都道府県大会・エリア大会に参加し、勝ち抜いた40名がこの日の全国大会に進出した。
大会を通じて高い技能レベルを有するスタッフを「技能エキスパート」、そのなかでも安全性や確実性などの観点からとくに優れたスタッフを「技能マイスター」として認定する。今回新たに12名を「技能エキスパート」に、そのうち4名を「技能マイスター」に、それぞれ認定した。
この技能グランプリは2010年の第1回大会から第13回大会まで、のべ4600名以上が参加している。