ブリヂストン、持続可能な社会へリーダーシップを

シェア:
カテゴリー: タイヤ事業戦略, 特集

材料技術の強みを活かし、事業と環境保全の両立

 ――ほかにはどのような研究をされていますか。

 「現在、タイヤ材料のイソプレンゴムは石油由来の原料から作られますが、実はイソプレンという分子はアルコールから生成することができます。さらにそのアルコールは、サトウキビから砂糖を採取した後に残る繊維を細断して発酵させることで作ることが可能です。今後、アルコールから合成ゴムを作るようになると、石油由来の材料は必要なくなる可能性があるということです。

ブリヂストンの原フェロー
ブリヂストンの原フェロー

 また、タイヤには原油などから精製された鉱物オイルをたくさん使っているのですが、植物原料で代替する研究なども進めています。最終的に原油に依存せずタイヤを作れるように、様々な研究投資を行っています。

 今は合成ゴムとカーボンブラックはほとんどが石油に依存しています。つまり、タイヤを重量ベースで見たときに約半分が石油に依存しているのですが、それをゼロにしていきたいと考えます」

 「タイヤの材料には、いかにほかの性能を犠牲にせずに耐久性や耐摩耗性を上げるかという永遠の課題があります。そうした中で、2018年にはHSR(ハイ・ストレングス・ラバー)という材料を発表しました。これはゴムと樹脂を分子レベルで結合したもので、一般的な合成ゴムより耐破壊特性が高い天然ゴムと比較しても、高い強度と耐摩耗性を有しています。

 この材料を応用すると、現在の乗用車用のタイヤの溝深さは約5~7mmですが、2mm程度で済むようになるかもしれません。軽くて燃費も良く、材料の使用量も減らすことができます」

 「リサイクルの技術も大事です。現状では使用済みタイヤは細かいチップに加工して舗装道路に利用する、あるいは燃料用になっていますが、再生ゴムを高い精度で作ることでタイヤとして再利用することができるようになると考えています。

 また、当社グループの空気を不要にするタイヤ技術『エアフリーコンセプト』で使用するスポークは樹脂でできており、ほとんどがリサイクル可能です」
 
 ――今後の展望を教えて下さい。

 「2050年を見据えた“100%サステナブルマテリアル化”を目標に掲げていますが、2050年を待たずして大部分が実現できるのではないかと期待しています。化学や農業技術が向上していく中で技術の裾野が広がっていくのではないでしょうか。

 材料の分野でも、今まで使用していない原材料・モノマーをどのように使うか、また、そこから新しいポリマーをどのように作っていくか――このように技術がますます発達していくと思います」

 「当社グループは天然ゴムをはじめ多くの原材料を消費しながら事業を展開しています。グローバルに展開する企業として、我々が持続可能な社会の実現に向けてどのように取り組んでいるのかを社会に見えるようにしていきたいです。

 最終的には “Our Way to Serve”に行きつくのですが、事業と環境保全を両立し持続可能な社会と人々の生活の向上に貢献していきたいと考えています」


[PR]

[PR]

【関連記事】