国内市販用タイヤTOPインタビュー

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 第2四半期以降ですが、コロナ感染症の分類が移行され、コロナの影響がさらに減少するものと見られます。それにより新車の販売台数が上向いていくことが期待されます。新車販売の動向は、我々市販用タイヤ市場にも深く関係します。特に降雪エリアでは新車の添付タイヤに直結することから、新車の販売需要が伸長することで市販用タイヤ需要も増加することが期待されます。

 またコロナ禍の期間、バスをはじめレンタカーやリース車両といった分野でクルマの稼働が落ち込みましたが、今年に入り稼働が高まり走行距離も伸びています。それに伴うタイヤ需要の増加がプラスに働くと見ています。この回復に向かっている需要に対応し積極的な営業活動に取り組みます。

 トラック輸送は日本の社会・経済で重要な役割を担っています。トラック・バス用をはじめとする生産財タイヤは社会インフラを支える分野として、我々はしっかりと販売活動を行い、輸送ビジネスをサポートすることで需要に対応していく考えです。

 生産財タイヤを販売するにあたっては、タイヤ単体だけでなく付随するサービスや、輸送業界が直面する課題解決に向けての対応が非常に重要です。

 まずはユーザーの皆様に当社の製品の良さを知っていただく。例えば、TOYO TIREでは小型バス用タイヤとしてコミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」を新発売しました。摩耗ライフを高めメンテナンス効率の向上に貢献する商品です。

 このような独自性がありユーザーニーズにお応えする商品を豊富にご用意していることや、またその商品が持つ高い性能について、研修会やセールス活動を通じてきちんとお伝えすることが必要であると考えます。我々から直接ユーザーへ伝えるだけでなくタイヤ販売店の皆様を通じて伝えていただく。これらのフローをきっちりと行っていく考えです。

 また、当社ではタイヤ整備作業事故を未然に防止する取り組みとして安全作業の研修会を開催しています。そのような機会を通じタイヤ整備サービス技術の品質向上を図り、輸送業界の皆様の安全運行をサポートして参ります。

 生産財タイヤは新品タイヤのみならず、リトレッドタイヤも重要なソリューションとなります。当社ではトーヨーリトレッド㈱(新潟県糸魚川市)で製造したリトレッドタイヤを販売していますが、同社にはTOYO TIREも出資しており、リトレッドタイヤを製造する段階からメーカーと連携した対応が取れています。

 リトレッドタイヤはこれまで、コスト削減という経済性の側面が強調されることが多くありましたが、現在は、SDGsへの取り組みとして省資源、CO2排出削減といった環境への対応を図るという意味でも非常に注目されています。当社でもリトレッドタイヤの環境面でのメリットを告知し訴求しています。

 新品タイヤの購入からメンテナンス料金、タイヤの預かりサービス、リトレッドタイヤまでをセットにしトータルでパッケージングした、TOYO TIRE独自の定額プランをご用意しています。

 またメンテナンス管理ではデジタルデバイスの活用に取り組んでいます。タイヤ空気圧の管理や摩耗診断システムについてクラウドを通じ通信・管理するもので、資本業務提携にある三菱商事の関連物流会社で実用化に向け踏み込んだ実証実験を進めています。

 このようなTOYO TIREのソリューションを提供することで、生産財タイヤの分野でも業界需要を上回るよう、今まで以上にしっかりと営業活動に取り組んでいく方針です。

 冬用タイヤの展望については、7月に値上げが計画されており、それに駆け込み需要とその反動の発生が考えられます。需要曲線が例年とは変わってくると思われますが、年間を通じて動向を見ていく必要があります。そこにアフターコロナの経済活動がどう影響してくるか。22年実績と大きく変わらないと想定する中で、回復に向かうと見られる分野にアジャストして営業活動に取り組みます。

 

~重点商品の販売拡大を推進~

 我々はOPEN COUNTRYやPROXESをはじめとする重点商品の販売を拡大することを目標の一つとしています。重点商品を販売することがタイヤ販売店の皆様の収益の向上に繋がります。皆様を通じ良い商品がクルマに装着されることでユーザーの皆様にもプラスになると考えます。双方がプラスになるような取り組みを行っていく考えです。

 国内市場で当社独自の存在感が高まってきていると感じます。国内市販タイヤ事業でしっかりと収益を上げることで、社員が誇りを持ってタイヤを売ることができる会社にしたい。今まで以上に良い商品とサービスを提供するため、変化するトーヨータイヤジャパンにご期待ください。


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