インタビュー 石田明義社長(旭産業株式会社)

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カテゴリー: インタビュー, 特集

〜進化するモビリティー。タイヤゲージの精度向上を追求しサポート〜

「基準器備え年に1度は校正を」

 自動車整備で進むエーミング。その作業に際し最も基本となるのがタイヤの空気圧が規定通りなのかどうか。正確なタイヤゲージで測定しなければそれは果たせない。タイヤゲージの専門メーカー、旭産業の石田明義社長に現況を聞いた。

 性能引き出すには正確な空気圧で

 ――エーミング作業時、またタイヤ空気充てん作業で事故ゼロを目指すときも空気圧を計測するタイヤゲージに品質や精度の高さが強く求められるが。

旭産業 石田社長
旭産業 石田社長

 「空気圧を管理することでタイヤは性能をフルに発揮することができます。精度の高い計測機器をご提供することでタイヤ空気圧を適格に管理しクルマの安全で快適な走行を実現する――このことをタイヤゲージの専門メーカーとしての責務であると考え、追求し取り組んできています。

 MaaS、CASEの時代を迎えクルマが進化していますが、併せてタイヤも一層高性能化しています。それに伴いタイヤの空気圧をいかに適正に保つかがより重視されるようになり、タイヤゲージには精度の向上が求められています。

 また最近はタイヤ販売の前線でも自動車整備と同様、人手不足やスタッフの高齢化の問題が表われ始めたようです。それに対し我々でできることは何かと考え取り組んでいます。具体的な例を挙げますと、バルブに接するインターフェイスであるエアーチャックを使いやすくする。空気充てん作業を行う時に作業に慣れていない方だと空気が漏れてしまうケースがあります。作業される側の皆様には『そういうものだから仕方がないのだろう』と思われる方が意外に多くいらっしゃるのですね。このような課題に対し当社ではソケットチャックを開発し販売していますが、お客様から使いやすいということで大変ご好評をいただいています。

AD-306HB
AD-306HB

 実際にお客様と接しないと、市場のニーズにマッチしたアイデアを商品化することができないと考えます。物づくりに際しメーカーはどうしても『これが良いはずだ』とひとりよがりに陥ってしまいがちです。我々は、お客様の現場、その現場からの声を商品に反映する技術部門、そしてそれを具現化し量産する物づくりの製造部門、これら三位一体となって、より使いやすい機器の開発と製造に取り組む考えです。

 自動車整備の事業環境をみますと、省力化・省人化、作業の効率化の要求が強まっています。それと同時に計測機器にはより一層高い精度が求められています。クルマが高度化しセンサー類が発達してきていますので、空気圧の設定の精度が非常に強く問われています。

 当社では従来からタイヤゲージの精度向上を追求してきておりますが、それをもう一段、そしてさらにその上へと追求しなければ、我々の存在価値はないだろうと思っています。

 タイヤゲージに関して言いますと、大幅なリニューアルではありませんが、より精度を向上させるためにゲージ内部の部品づくりにも力を入れ取り組んでいるところです。作業性の向上に寄与するとともに、品質と精度の高い物づくりを徹底し、『旭産業の製品なら安心だ』と改めてお客様からご評価いただけるよう突き詰めていきたい」


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