インタビュー 石田明義社長(旭産業株式会社)

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カテゴリー: インタビュー, 特集

16年目迎えた「タイヤゲージの日」

 ――タイヤゲージはタイヤの安全管理を担保する重要な計測機器ですが、そもそもその精度が保たれていないと、大前提が崩れてしまいます。

 「作業の現場でタイヤゲージが一つしかない――このような状況であると、お使いになっているタイヤゲージが正常な誤差の範囲なのかどうか、わかりません。タイヤゲージは精密機械ですから、慎重にお取り扱いいただきたいのですが、それでも衝撃などによってお使いいただいている間に少しずつ測定誤差が生じてしまいます。始業前にタイヤゲージの点検を行い、その精度を維持するために少なくても年に1度は校正に出すことをお勧めしております。ですが実際のところ、タイヤゲージの点検はまだまだ浸透しておりません。当社の課題だと認識しています。

SC-70 精度チェック
SC-70 精度チェック

 タイヤゲージの精度を確かめるための機器として、当社ではタイヤゲージ精度チェッカーを開発し商品化しています。タイヤ取り扱いの現場ですぐにお手持ちのタイヤゲージの精度を確認することができる商品です。徐々に導入が進んでいますが、まだまだ余地があります。その普及を図るため、タイヤゲージ精度チェッカーの分野でプレミアムモデルとともにエントリーモデルを発売しています。

 タイヤゲージに限らず、測定器や圧力計全般に共通していますが、年に1度は機器を点検し精度誤差が許容範囲を超えた場合は校正に出すという履歴を残すことが大変重要です。タイヤゲージ精度チェッカーをタイヤゲージの基準器として備え、まずは日頃から定期的に点検を行う。その点検によってタイヤゲージの精度に疑問を感じられた時に校正を出す、あるいは新製品に買い換える、このようなフローが確立できるよう、当社ではご提案しております。

 4月8日 『タイヤの日』でタイヤを点検される前に、まず測定器であるタイヤゲージを点検し、お使いになられているタイヤゲージの精度が適正であるのかどうかを確かめていただきたい。その考えから2007年に、『タイヤの日』の前日である4月7日を『タイヤゲージの日』として制定し、皆様にその点検の重要性を訴求してきています。タイヤゲージの点検をいかに普及していくか、そのことにずっと取り組んできています。

 現在ではスマートフォンが情報インフラとして普及しており、Webの活用が広まっています。営業マン、ドライバー、そして整備に携わる皆さんがスマホを経由し様々な情報を得ています。そのようなことを背景に、当社でもホームページ(HP)を構築し、いろいろな方々が活用できるにしようと取り組んでいます。

 このHPの活用とともに、これまで継続しています販売代理人の方々や商社の皆様、そういういわゆる人と人とを通じての訴求の仕方、この二刀流でPR活動を行っていこうと考えています。足元をしっかりと固めた上で、普及に向けて活動を続けていきたいですね」

 ――タイヤ整備の現場でDX化が徐々に進んでいます。空気圧や残溝などの点検数値を紙に書いて記録を残すのではなく、測定値がそのままPCやタブレットに入力されクラウドを通じ管理され今後のタイヤ交換等の基礎データとして運用する、タイヤのフリートマネジメントへの対応についてお考えを。

 「当社がTPMSに入りシステムとして運用するのはむずかしいと考えます。フリートマネジメントに側面からサポートするという立場でありたい。当社の機器で測定したデータをフリートマネジメントにどう活かせるだろうかをテーマに、開発に取り組んできています。作業現場における通信インフラが整っていないところが少なくなく、ブルートゥースやWi-Fiを安定して使えない状況が見受けられます。セッティングなど初期設定も手間がかかるのが現状です。データを受けるシステム側も同時に進化しなければなりませんので、そこでのサポートを視野に、試作品をつくるなど開発を進めています」

 ――2023年度の展望を。

 「我々は開発メーカーですので、品質と精度を向上させるということに取り組み続けています。先に策定した当社3ヵ年の中期計画で現在2年目ですが、3年でこの基本を揺るぎないものにすることを目標に置いています。その目標達成に向けて新商品を開発し市場に送り、お客様のニーズにお応えしたいと考えます」


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