洗練度高めたフラッグシップタイヤ 住友ゴム「AZENIS FK510」

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カテゴリー: レポート, 試乗

AZENIS FK510

 住友ゴム工業は2月からFALKEN(ファルケン)ブランドのフラッグシップモデル「AZENIS FK510」(アゼニス・エフケーゴーイチゼロ)シリーズの3商品を発売した。それに併せて3月19日に神奈川県横須賀市にある観音崎京急ホテルと周辺道路で発表試乗会を開催。同社が「欧州市場で真っ向から挑戦した」と意気込む新商品の高い性能を体感した。

厳しい欧州市場で勝負した

AZENIS FK510

 ファルケンは、住友ゴム工業がグローバルで展開するブランド。海外で先行発売された新商品「アゼニスFK510」シリーズは、そのプレミアム商品だ。

 開発にあたってコンセプトとなっていたのは「欧州での厳しい雑誌評価で上位に入ること」(西実副社長)。操縦性能やウェット性能などを総合的にテストする雑誌評価は、欧州の一般ユーザーに大きな影響を与えているという。

 新商品は開発の狙い通り、独の自動車専門誌「AUTO BILD」(オート・ビルド)で52銘柄中、総合2位を獲得。ほかにも、多数の雑誌で高評価を得た。

 サイズ展開は「アゼニスFK510」が17~21インチの50サイズ、「アゼニスFK510 SUV(エスユーブイ)」が17~22インチの15サイズ、「アゼニスFK510 RUNFLAT(ランフラット)」が18~19インチの9サイズ。セダンからSUV、スポーツカーまで対応する豊富なラインアップが自慢だ。

高速操縦安定性能とウェット性能が特徴

 西副社長が「最先端の技術で開発した」と語る新商品。大きく分けて2つの特徴を備えている。

 1つ目は高速操縦安定性能。最適な接地圧分布を実現した非対称パターンを採用し、高速コーナーで負荷がかかるアウト側の剛性を高めた。さらに、円形に近いプロファイルによってサイドウォールの柔軟性を確保した。

 2つ目の特徴はウェット性能だ。パターンに広く深い主溝と、水膜を効果的に除去するブレードサイプを配置したことで、強力な排水性が期待できる。

 また、ゴムの配合では、同社独自の新材料開発技術「4D NANO DESIGN」(フォーディー・ナノ・デザイン)を活用。ゴム全体の剛性と接地面の柔らかさを両立させる「シリカコンパウンド」を採用した。

 これにより、濡れた路面でもしっかりと接地する、安心感の高いウェットグリップ性能を実現している。

瀬在さん「洗練度が高い」と高く評価

瀬在仁志さん
モータージャーナリストの瀬在仁志さんは「映画館に入った時のような静かさ」と高く評価する

 当日は、試乗の評価をモータージャーナリストの瀬在仁志さんに担当してもらった。コースは一般道と横浜横須賀道路で、3つの欧州車を使用。そのうち、VW「ゴルフR」とメルセデスベンツ「C180」には「アゼニスFK510」を装着。ポルシェ「マカン」には「アゼニスFK510 SUV」を装着した。

 まず、瀬在さんが指摘したのは「アゼニスFK510」の高い操縦性だ。無駄な動きがなく、動き出しや直進時に落ち着きがある。ハンドル操作時も外乱に影響されないため不安を感じない。

 高速レンジに到達するまでの過程では、操舵の感覚を変化させることなくリニアに加速できる。また、「速度を上げても手応えがしっかりしている」ため、高速安定性も安心だ。

 それに加え、高速域でもノイズは大きくならずにスーっと走る。一般に高い運動性能を持つタイヤは、ゴロゴロと路面を叩く音がする場合も少なくないが、新商品はその音もしない。瀬在さんはその静かさを「映画館に入った時のような感覚」と評していた。

 さらに、路面の突起は滑るように乗り越える。「じわっとたわまないとステアリングが取られてしまうことがあるが、荷重に応じてきちんと沈み込んでくれる」と瀬在さんは話す。

 「ファーストインパクトではゴツンとしたゴムの硬さがあるが、その割にはタイヤが衝撃を吸収しているので乗り心地も悪くない」

 瀬在さんが3車種の中で「一番ポイントが高い」と話したのはゴルフR。車両の重厚さを残しながら、タイヤの働きでキビキビとした軽快な動きを実現していた。

 C180では乗り心地が「少し硬め」としながらも、欧州で鍛えられた車両とのマッチングの良さを評価した。

 また、SUV用タイヤ「アゼニスFK510 SUV」は、しなやかにたわむことで重心が高いマカンに対応。「モーグル選手のように膝だけ動いて追従する――そのような味付けになっているのではないか」と解説してくれた。

 瀬在さんは、「ファルケンは30年前だとヤンチャなイメージがあったが、新商品は洗練度が高い」と全体の印象を話す。同社が“新世代のフラッグシップタイヤ”と称した通り、新商品はこれからのファルケンを担う象徴となるだろう。


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