株式会社エイワ 大型車用ホイールバランサー 「サーキット 330」

シェア:
カテゴリー: レポート, 整備機器

 大型車のバランス作業を乗用車感覚で発想を転換。本体主軸が上下に動く。

大型WB C330 新製品と金子支店長
大型WB C330 新製品と金子支店長

 〝技術の可視化〟というテーマに注力し、新製品の開発に取り組み続ける㈱エイワ(兵庫県西宮市、前中勝彦社長)。タイヤチェンジャー「WING(ウィング」シリーズや、ホイールバランサー「CIRCUIT(サーキット)」シリーズなどでその具現化を目指している。乗用車用「サーキット C7425 Air(エアー)」は優れた作業性とともに使いやすい形やデザインが高く評価され、2020年度グッドデザイン賞を受賞。大きなトピックとなった。その「サーキット」シリーズにおいて、大型車用ホイールバランサーが新たな進化を遂げた。「サーキット 330」がそれ。5月、移転オープンした同社名古屋支店・営業本部名古屋オフィス(愛知県名古屋市港区中川本町3丁目1−11)のトレーニングセンターから同機の詳細をレポートする。今回実演デモを担当したのは金子正実名古屋支店長だ。

 

 人手不足は自動車整備に関わるすべてで共通する深刻な課題。少子高齢化、クルマ離れという社会趨勢が続き、一方では電気自動車をはじめ自動運転、アシストブレーキなど新技術が続々と登場。進化の勢いはいや増すばかり。タイヤ整備の現場でも省力化・省人化・軽労化を含め「作業の効率化」、技術の進化に対応するための正確で高い精度の「作業品質」、そして「安全な作業」――これをいかに両立させるかが最重要キーワードとなる。

 「サーキット 330」はこのような課題解決への一助としてエイワが提案するホイールバランサー新製品。その開発コンセプトは「乗用車感覚で大型車のサービスを」――そう金子さんは紹介する。

 

大型WB C330 上下する主軸1
大型WB C330 上下する主軸1

 開発で着目したのは、ホイールをバランサー本体に装着するときの作業位置。バランス作業に際し、本体主軸に取り付けるにはタイヤ・ホイールを真っ直ぐに立て水平を維持したままホイール中心をバランサー主軸のセンターに合わせる必要がある。ホイール中心とバランサー主軸のセンターがずれた偏芯の状態で装着するとアンバランスを正確に測定することができない。取り付け誤差を減らすことは精度が求められるバランス作業では必須だ。

大型WB C330 上下する主軸2
大型WB C330 上下する主軸2

 他方、ホイール付きのタイヤは非常に重い。軽労化の観点から、これまでの取り組みとしてはバランサー専用のリフトを使用するケースが多かった。主軸の高さに合わせてリフトを昇降させ、タイヤ・ホイールをスライドさせながら主軸に取り付けるのが一般的だ。

 それに対し「サーキット 330」はホイールバランサー本体主軸に昇降機能を持たせるという、180度発想を転換したシステムを採用した。

大型WB C330 作業しやすい空間デザイン
大型WB C330 作業しやすい空間デザイン

 金子さんがスライドベースと呼ばれる、従来のリフターで言えば台座に、タイヤを転がし配置する。昇降レバーを操作するとエアーの力で主軸が昇降。おおまかな位置を決める。オプションのISOホイール対応のSRアダプター、あるいはセンタリングコーンを使用しホイールをセッティングするのだが、特徴的なのがエアー圧力でキープされた主軸を手動で上下の位置を微調整することが可能なことだ。作業者は安定した姿勢を保ちながらアダプター装着が容易となり、取り付け誤差減少に寄与。測定精度が向上した。

大型WB C330 SRアダプター
大型WB C330 SRアダプター

 「重いホイール付きタイヤをリフトアップする場合、転倒するリスクを無くすことはできない。転倒の気配が見られると作業者は反射的に支えようとしてしまい事故に繋がる恐れがある」と金子さんは指摘。「主軸に昇降機能を持たせることで安全性を向上させながら作業性と精度の向上を同時に実現させた」、そう続ける。

 

 「サーキット 330」はディスタンスゲージによるデータの自動入力、修正位置でホイールを固定するブレーキ機能などを搭載した。また主軸を本体のセンターよりも手前側に位置させることで作業空間を広く確保。直立に近い自然な姿勢で、ウェイト貼り込みなどの作業を行うことができる。これは同社の「サーキット」シリーズに取り入れられている「Ergo(エルゴ)デザイン」と呼ばれる設計思想である。

大型WB C330 モニター画面
大型WB C330 モニター画面

 バランシングは低速回転で安全性を確保しつつ高い測定精度を実現。また、ホイールガード(カバー)は“有り”と“無し”の2タイプを用意。ガード“無し”の場合は回転するタイヤの前に作業者が位置しないように本体左横の2つのスイッチを同時に押すことのより動作するなど安全対策に配慮した設計を採用した。

 最大タイヤ径1380ミリ、適応リム径10−30インチ、適応リム幅1.5−20インチ対応。金子さんは「トラック・バス用や小型トラック用のバランス作業の労務負担が大きく軽減する」と、新製品の機能の高さに自信を示す。オプションでSUV用や乗用車用タイヤにも対応するので様々なシーンで使うことが可能だ。


[PR]

[PR]

【関連記事】