TOYO TIREは24日、都内で「トラック・バス用タイヤ新商品技術レクチャ」を開催。小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135(デルベックス エムイチサンゴ)」と小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV(ナノエナジー エムイチゴイチ イーブイ)」を国内市場で発売すると発表した。「DELVEX M135」は従来品「DELVEX M134」をバージョンアップさせたモデルで6月に8サイズ、8月に8サイズ、「NANOENERGY M151 EV」は6月に1サイズを上市予定。
昨今、物流業界ではEコマース市場の成長に伴い、小口配送の増加に拍車がかかる反面、労働力不足は常態化している。24年4月から施行された働き方改革関連法によりドライバーの時間外労働時間上限が引き下げられたため未経験ドライバー、運転に不慣れなドライバーの採用増加が予想され、タイヤにはより高い安全性能確保が課題となる。温暖化の影響によりゲリラ豪雨など、突然の気象変化の頻度も増加。このような環境下でも足元から物流を支えるためにこの新商品は開発された。
水谷保技術統括部門技術開発本部長=写真下=は「EV車両の需要増大に伴い、低燃費、高寿命化、環境負荷への対応、ウェット性能、安全性能を高次元で両立させる技術が不可欠になってきている。弊社は設計力強化だけではなく、タイヤの挙動を可視化する技術開発を推し進め、さまざまな要求性能を満足させる『高機能設計力』向上を図っている。
差別化された特徴と魅力を備えた商品をタイムリーに具現化する『顧客志向商品力』を高める。
AIを活用したシミュレーション技術T−MODEを生かして独自性の高い商品をスピーディーに展開する『次世代技術開発力』。この三つの技術力を融合させることにより独自の差別化商品を市場に投入していきたい。
現在、都市内用途の小型トラック、市街地走行バスでEVの量産販売が行われている。車両特性からタイヤへの影響を確認しており、必要とされるタイヤ性能を検討し、今後もEV専用タイヤの開発を推進していく。同時にカーボンニュートラル社会を見据えた技術開発にも積極的に取り組んでいく」と意欲を示した。