様々に活躍する動力ユニット誕生

シェア:
カテゴリー: レポート, 整備機器
タグ: ,

 エイワ株式会社の出張サービスカー向け簡易型動力供給ユニット「EPU―01」

様々に活躍する動力ユニット誕生

 エイワ(兵庫県西宮市)は4月1日から出張サービス作業に必要な動力源をパッケージにした「EPU―01」を発売した。新製品は専用のキャビネット内に発電機やエアーコンプレッサーといった機器を収納した簡易型の動力供給ユニットとなる。このユニットをトラックなどの荷台へ搭載することにより、サービスカーとして出張作業を行うことが可能となる。店舗にある既存の車両を活用して、底堅いニーズがある出張サービスをはじめ、イベント会場の動力源としても活躍できる注目の新製品だ。

 

杉村取締役本部長(右)と木崎部長(左)
杉村取締役本部長(右)と木崎部長(左)

 「世界規模で資材や部品などが不足するのに伴い、新車の納期長期化への対応が課題となっている。初期投資を抑えた出張サービス、時代に合わせた店舗運営など、環境変化に応じた臨機応変なサービス展開が求められている」――杉村幸二取締役本部長は新製品開発の背景をこのように話す。

 こうした市場環境の中で誕生した「EPU―01」は簡易型の動力供給ユニットで、発電機やエアーコンプレッサー、エアタンク、エアードライヤーといった各種機器を専用のキャビネットに収納し、1つのユニットとしてトラックに積載して使用する画期的なアイデアだ。タイヤチェンジャーやホイールバランサーなどがあれば、専用の特装車を用意しなくても出張サービスの提供が可能になる。

 また、店舗近隣で災害や停電があった際はこのユニットから電力を供給して営業を継続することもできる。杉村本部長は「近くに電源が無いような屋外のイベント会場でも動力供給を行うことができる。使い方次第で様々な用途に活用できるのではないか」と期待を込める。

メンテナンス性や静音性にも配慮した設計になっている
メンテナンス性や静音性にも配慮した設計になっている

 ユニットの寸法は幅2,050mm×高さ2,050mm×奥行1,220mmで重量は1,520kg。「2トン車のロングワイドの寸法にこだわり、タイヤ販売店で通常は配送などに使用されている平ボディ車に積めるサイズに仕上げた」(木崎功太郎商品部部長)という。荷台から積み下ろしする際はフォークリフトやクレーンといった店舗にある設備で対応できる。

 重量バランスと安全性を考慮した機器レイアウトで、開閉部を4方向に設けるように工夫した。また作業に必要なスイッチを左側面の1カ所に集中させることで、オペレーターは安全かつ効率的に作業を行えるようにしたほか、メンテナンスの際の作業性も向上している。

トラックの荷台に積載した状態
トラックの荷台に積載した状態

 さらに、屋外で使用することを想定して騒音にも配慮した。ユニットの筐体は全てを防音材で囲い、発電機は静音タイプを採用。また、換気機能も完備しているため、高温環境下での機器使用によるトラブルを未然に防ぐよう配慮している。これは機器の経年劣化を軽減することにも寄与するだろう。木崎部長は「従来の出張用の機械と比べて静粛性が高まっているほか、排気ガスの排出も考慮されているため、身体への負担も少なくなっている」とメリットを話す。

 近年、利便性の高さから出張サービスへのニーズは底堅く推移しているという。一方で、新車の供給不足、納期の長期化が課題になっており、全てのユーザーがサービスを享受できるような環境にはなっていない面もある。こうした中、「EPU―01」を活用することで、新たな発想でビジネスチャンスの拡大も期待できそうだ。

 杉村本部長は「車両の納期に左右されない形で、場所や時間の制約を極力排除した形でタイヤ交換サービスをご提供できるような製品として提案していく」とした上で、「お客様のご要望に合わせた搭載機器のバリエーション展開や、乗用車向けサービスを想定したモデルの追加などでシリーズ化を目指したい」と展望を示す。

 「EPU―01」に搭載される主な機器は、発電機「DCA―15LSK」(出力15kVA)、エアーコンプレッサー「EWH55PA」(出力5.5kW)、エアタンク「EST200―140」(内容積200L)、エアードライヤー「DRC―75HE」、自動エアー充填機「PASCAL10」、エアーホースリール、工具収納棚となっている。

 オーダーを受けてからの受注生産となり、ユニット自体は約2~3週間で納品が可能だという。


[PR]

[PR]

【関連記事】