ウチの店はここがウリ タイヤステージ湘南

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カテゴリー: レポート, 現地

 有限会社レリアンス(神奈川県藤沢市石川5-10-26)が運営する小売店舗のタイヤステージ湘南は今年、オープンから20周年を迎えた。地域住民の足元を支えてきた同店は、満足度の高い作業を提供することで顧客との繋がりを築いてきたようだ。レリアンスの福地良成代表とタイヤステージ湘南の福岡直純店長に、これまでの取り組みや今後の目指す姿を聞いた。

作業品質の高さで新たな来店客を獲得「タイヤステージ湘南」

タイヤステージ湘南_外観
タイヤステージ湘南 外観

 タイヤステージ湘南は2003年、レリアンスが県道43号線沿いの現住所に移転した際に同じ敷地内でオープンした。タイヤの卸売が中心のレリアンスでは、1993年の同社立ち上げ時から小売も手掛けてはいたが、創業した土地が手狭だったこともあり移転を決意。引っ越し先となる現在の敷地には駐車スペースなども用意し、新たに「タイヤステージ湘南」という名前での小売業をスタートさせた。
 同店は乗用車・ライトトラック用タイヤを販売しており、主に近隣の一般ドライバーが顧客になっている。

 ショップのホームページにはお店の利用案内や工賃料金表といった基本情報に加え、数多くの取扱商品を掲載。タイヤ価格は作業料等を含めた価格で閲覧できるため、ホームページを経由した来店客の多くが自身で調べた商品情報や価格を基に、店舗で購入・装着するタイヤを決めているそうだ。

 ホームページは、今年1月の1カ月間で約3200人のアクセスを記録し、月間PV(ページビュー)数は1万9000に上った。こうしたことから、レリアンスの福地良成代表は「当社にとってホームページはとても大切」とし、今後も検索しやすさなどの面でホームページを拡充していく方針を示す。

タイヤステージ湘南_店長
福岡直純店長

 ホームページが重要な役割を担っている同店だが、来店客のベースとなるのは紹介で訪れるドライバーだという。店長の福岡直純さんはショップの強みに「取り付け技術や、作業を丁寧に仕上げる点」を挙げるが、こうした作業品質の高さが新たな来店客の獲得に繋がってきた。

 そんな同店では、優れた作業を提供していくためにビデオ撮影の仕組みを導入している。ショップは基本的に福岡店長含め2人で営業し、繁忙時にはレリアンスの卸売チームがサポートする体制を取っているが、福岡店長は「スタッフによって作業内容に差が無いようビデオ撮影し、クルマやホイールの傷まで細かくチェックしている」と話していた。これにより、「必ずお客様に満足して頂ける作業」という同店の“基本”を守り続けてきたそうだ。

 撮影の取り組みを活かし、ハブなどの汚れが特にひどかった場合には来店客に清掃前後の写真を見せることもある。タイヤを取り付けると見えない部分だが、写真で紹介すると喜ばれるという。

 また、作業前後の撮影は顧客とのトラブル防止にもなる。もし「お店でクルマに傷をつけたのではないか」という問い合わせがきても、店舗の作業が原因ではないと映像で分かれば、「お客様も気持ちがすっきりする」と福岡店長は述べていた。

 レリアンスは、経営理念の中に「三者間に生まれる適正な利益を分け合うこと」という一文を入れている。福地代表は、「スタッフとその家族を守るという想いから考案した」と話す。「スタッフは個々の生活を守るためにここで働いている。全員が同じ目的を持っているのだから一体となって収益を稼ぎ、それを皆の家族に還元していきたい」

 さらに、「その実現に向けて仕入れ先に協力し、様々な条件を引き出したり、当社にあった企画を提案してもらったりしている。量を多く扱うことでコストダウンできた分はお客様に還元していく」と続ける。
 スタッフ、仕入れ先、顧客の三者を意識した経営理念の下、レリアンスでは様々な施策を展開してきた。

 例えば社員に対しては、コロナ前には海外旅行の機会を設けるなどしてきた。また、福地代表の手帳にはレリアンスの全従業員とその同居家族の生年月日を記したメモが挟まれており、それぞれの誕生日にはプレゼントを用意しているそうだ。

 こうした和気あいあいとした職場環境は丁寧な作業の提供にも貢献している。福岡店長は、「作業を離れなければならなくなってもサポートのスタッフにしっかりと引き継げる。話しやすい関係は大事」と指摘していた。

 タイヤステージ湘南がモットーとするのは、「お客様を裏切らないこと」。福岡店長は「満足して帰って頂くのが鉄則」と続ける。

 こうした姿勢の効果はリピーターの数の多さに表れている。

タイヤステージ湘南_内部
タイヤステージ湘南 内部

 同店では、タイヤ交換して約100km走行後の来店を呼び掛けるカードを配布し、再訪した顧客には増し締めと空気圧チェックを行っているが、タイヤ交換した顧客の9割以上がこの点検を受けているそうだ。「また見てほしい」と思わせる満足度の高い作業が、この結果を作り出しているのだろう。
 さらに、リピーターとは気心知れた関係を構築でき、それが新規顧客の紹介にも繋がってきた。福岡店長は「作業を見学するお客様からはタイヤに関する質問を受けることも多いが、こうしたやり取りができる点も当店の強みだろう」とも述べ、「これからも人との繋がりを大事にしていきたい」と話していた。

 タイヤステージ湘南は業務を予約で引き受けることがほとんどで、取材日翌日の土曜はすでに1日が予約で埋まっていた。あまり空き時間もないという同店では、物理的にも現在以上の予約を取ることが難しいため、新規のタイヤ取り付け店をオープンすることも検討しているそうだ。

 優れた作業品質で信頼を勝ち取り、地域社会に貢献してきたタイヤステージ湘南。更なる成長に向け、これからも意欲的な挑戦が続いていく。


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