埋込みリフトでも楽に、安全に 東洋精器工業のタイヤリフター

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カテゴリー: レポート, 整備機器
森本祐二さんと「パートナー70」

 タイヤ整備作業現場での“省力化・軽労化”に取り組む東洋精器工業。このほど、タイヤ交換作業時に使用するタイヤリフター「Partner(パートナー)70」を開発した。この春から本格販売を開始する。

 販売企画部主任の森本祐二さんは「タイヤ交換作業時に、ピット作業場の自動車整備用リフトでクルマをリフトアップします。通常の場合、ホイール付きのタイヤを抱え込んで地面に下ろしたり、抱えてリフトの高さまで持ち上げなければなりません。そのようなシーンで使うタイヤリフターとして開発したのが『Partner70』です」と紹介する。

コントローラーユニット部。シンプルに徹し、機能本位のデザインを採用した。充電バッテリーの消費度合いもひと目で確認することが可能だ

 「Partner70」のカラーリングには、センターロック式レバーレス専用機「CORGHI(コルギー)PIT A5000」と同じ、深みのあるコルギーグレーを採用した。

 乗用車用タイヤチェンジャー「PIT ATHLETE-Ⅱ」や乗用車用ホイールバランサー「TRIM BP-67A」などはマットブラック。濃いめのカラーで揃えることで、ピット全体のイメージアップを図る狙いもあるという。

 また、「Partner70」のリフト能力は、その名が示す通り70㎏。軽自動車用から一般的な小型乗用車、SUVクラスのホイール付きタイヤの使用を想定している。

 「重量のあるタイヤを抱えたり支えたりしながら、タイヤの交換作業を続けるのは男性でも大変です。しかも1本ではなくクルマ1台4本、さらにはそれが2台、3台と続くのですから、かなりの重労働となります。『Partner70』はそのようなタイヤ交換作業時の省力化・軽労化に大きく貢献する専用リフターです」、森本さんは新製品を操作しながらこのように説明する。

独自のバンパーガードを採用。埋込みリフトでのキャスター脱落を阻止する

 新製品「Partner70」で特徴的なのがそのフォルム。機器本体から前方にタイヤを置くためのローラーが突き出していること。そこに独自のバンパーガードを採用した点だ。

 一般的なタイヤリフターの場合、キャスター車輪を機器本体の前方に配置している。そのため、埋め込み式の整備用リフトでの使用には不向きで、タイヤリフターの侵入部には事前に渡し板等を敷き車輪脱落を防止しなければ、そのままでは使用することができない。リフトを上昇させているときに、その空いた穴までついうっかりとタイヤリフターを移動させキャスター車輪を落としてしまうというケースが多々あるそうだ。

 1度その穴にリフターやタイヤを落としてしまうと、元の状態に戻すのは非常に大変であるし車両ボディとの接触で車両に重大な損害を生じ得ることは想像に難くない。

「パートナー70」

 だが「Partner70」はキャスター車輪が前方ではなく本体から横方向に配置されており、さらに独自に採用したバンパーガードが先に整備用リフトに接触することで、不用意にピット式リフトに近づけてもキャスターが脱落することがないような独特な構造を有していることから、うっかりミスを生じることなく安全で迅速な作業が可能となった。

 また万一、斜め方向からリフトに近づけて穴に片方のキャスターを落としてしまっても、外部からは見えないが、メインキャスターの内側に補助輪を装備しているので、ごく僅かに傾く程度で、引き戻すなどのリカバリー作業も極めて容易に行うことができる。

 ホイールのボルト穴に対するローラーの上下位置合わせ(昇降)は本体手元のコントローラーユニットでのスイッチ操作一つ。充電バッテリー式なので、電源に差し込むためのコンセントの配置位置を気にする必要はなく、またピット地面に電源コードを這わせなくてもよい。ピット作業場をスムーズに移動することができる。バッテリーの消費度合いはコントローラーユニット部で確認することが可能だ。

 森本さんは「余計な装備は付けずにシンプルな機能としました。リフトを選ばず、タイヤを持ち上げ、移動と作業を楽にすることだけに焦点を絞って開発しています」と製品コンセプトを語る。

 ピット式リフトの設置比率が高いタイヤショップ等を中心に、大いにその利便性、安全性、有効性が示されていく製品と言えるだろう。


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