小林タイヤ商会 「ソリッドタイヤ圧入機」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

「ソリッドタイヤ圧入機」

日本初、リフト標準装備の「ソリッドタイヤ圧入機」

 静岡県富士市の株式会社小林タイヤ商会(小林俊明社長)は、国内で初めてタイヤ・ホイールの昇降リフトを標準装備したソリッドタイヤの圧入機を完成させた。すでに実用新案を登録している同製品は、重量があるソリッドタイヤを機械で自動昇降することで、従来の機器と比べて大幅な安全性向上や省力化を図った。さらに本体とリフトを一体化させることで省スペース化も実現している。

 同社では全国のタイヤ販売店に向けて本格発売を始めたほか、今後、国内整備機器サプライヤーの販売ネットワークを活用して幅広い地域のユーザーへ提案していく。

 同機は、小林タイヤ商会が展開する「Stron-G」ブランドとして、中国のリフトメーカーと協力して開発したもの。同社ではこれまで他社の圧入機を使用していたが、チェーンを用いてタイヤの搬入・搬出を行うため不安定で、常に安全面や効率面で課題があった。また、長期間使用していく中で、故障する箇所が出てきて、その都度、修理コストがかかり、作業ロスにもなっていた。

安全かつスピーディーな作業が可能
安全かつスピーディーな作業が可能

 「作業者の身体的負担も大きかったが、機械で昇降できる方式を採用できれば、自分たちも使いたいし、他のタイヤショップさんにも使って頂けるのではないか」  小林社長は、製品化の背景をこう説明する。

 開発中は何度も現地工場に赴いて改良点を探りつつ、ある時は型紙でサンプルを作り、またプロトモデルを自社で使用して改善点を加えていくといった試行錯誤を重ねた。その結果、完成した今回の製品は、タイヤ販売店のアイデアや、実際に作業を行う作業者ならではの視点が多く盛り込まれている。

 同機はプレス機本体に油圧式リフトを備えた水平回転式の搬送台が組み込まれているのが特徴。同社では従来タイプと比較して多くのメリットを訴求する。

 「これまでの機械ではターンテーブルに乗せるには人力に頼るしかなく、昇降機はあっても別売りだった。その点、当社の製品は標準で搭載したリフトを、レバー1本で自動で上下できるため、安全性が非常に優れている」

治具類もセットに含まれている
治具類もセットに含まれている

 ソリッドタイヤは大型サイズになると2人がかりでタイヤを持ち上げる必要があった。一方、新製品は1人でオペレーションが可能で、大幅な省力化が期待できる。「安全かつ楽で作業が圧倒的に早い。例えば、これまで2人で30分かかっていたものが、1人で15分で済むとすれば、作業時間は実質4分の1に短縮される」

 実際に同社のオペレーターからは「負担が大幅に軽減できた」と好評を得ている。

 製品は最大荷重200トン、120トン、80トンの3種類があり、200トンモデルでは、最大25インチまで対応可能。さらに「自分たちが欲しい機能を全て付けた」というだけあり、あらゆるサイズをカバーするための治具も付属している。本体・リフト・治具のフルセットで参考価格は220万円~165万円。他社のオプションを加えた同等製品と比較して3~4割ほどリーズナブルなゾーンに設定した。

 小林社長は製品に込めた想いを次のように話す。「皆さんが事故なく安全に効率良く作業することができるように、そのお手伝いをさせて頂くために販売していきたい。このプレス機ならどこのノーパンクでも対応できる。メンテナンスコストなど、今の機械に不満を持っている方も少なくないかもしれないが、投資をすることによって作業が楽になり、全国のショップさんが元気になって頂ければと思っている」


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