中計・第2フェーズでガバナンスを4番目の全社戦略に掲げ

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日本ゼオン 豊嶋社長「特徴ある製品を世に出す」

豊嶋哲也代表取締役社長
豊嶋哲也代表取締役社長

 日本ゼオンの豊嶋哲也代表取締役社長=写真=は2023年12月11日、オンライン会見に臨み2023年の事業環境について次のように振り返った。

 「23年度第2四半期は対前年比で減収減益、対前期で増収減益となり、総じて厳しい決算となった。原料は下落し為替は円安となり経営環境的には悪くないが、市況、特に中国、ヨーロッパが弱く、全体的に非常に厳しい状況だった。当期純利益を除き、下方修正せざるを得ない状況。上期は対前年同期で減収減益。非常に厳しい状況が続いている。第3四半期からの市況回復の足取りは予想より遅いペースとなっている」

 下期の事業環境は、合成ゴムについては中国経済低迷による影響を受けると予想。下期業績予想は下振れ、通期での予想も下振れという見込みだが、豊嶋社長は「少しでも上方に持って行けるよう、経営に努めていく」と、強い決意で臨む姿勢を示した。

 同社は2021年年度から2030年までの10年間の中期経営計画「STAGE30」を策定。2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」に向け、その第2フェーズに入った。

 第1フェーズでは、「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する『ものづくり』への転換を推進する」「既存事業の『磨き上げる』と新規事業探索『探索する』」「『舞台』を全員で創る」という三つの全社戦略を作成した。この第2フェーズでは4番目の戦略として「経営基盤を『磨き上げる』」を新設。コーポレートガバナンスに注目して目標・計画立案を追加した。外国人・女性管理職の比率、政策保有株式の対純資産比率など具体的な数字を掲げ進めていく考えを明らかにした。

 豊嶋社長は今後の展望について、次のように語った。

 「23年6月に社長就任し早いもので半年が過ぎた。日本ゼオンの強みはニッチな原料を使いこなし、価値を提案していること。ゼオンでしかできない特徴ある製品、〝ちょっと変な〟製品を出すことで世の役に立ちたいと考える。キーワードはイノベーション。それを起こす仕組みと企業風土をつくり、人材を育てる会社にしたい。

 課題については短期的・中長期的なものがある。化学製品の市況・構造が大きく変わっていく現在、誰でも作れるようなものではなく、特徴のある製品を世の中に出してポートフォリオを組み替えていかなければならない。これが短期的な課題と思っている。

 中長期的には、化石原料由来はカーボンニュートラルの視点からサステナブルではないと考えており、原料転換を実践していくことが大きな課題だと考えている。

 構造的には厳しい事業をどう拡大もしくは縮小していくか、ステークホルダーの皆様には、サプライヤーとして、株式会社としてきちんと方向性を示していきたい」


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