ブリヂストン、ソフトロボティクスの事業化へ

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カテゴリー: ニュース

 ブリヂストンは8月29日、物流現場でのピースピッキングの自動化に向けてソフトロボットハンドを用いた実証実験を開始したと発表した。今後、ソフトロボティクス事業を社内カンパニー化し、次期中期事業計画(2024~2026年)での小規模事業化を目指す。

ソフトロボットハンドによるピッキング作業のイメージ
ソフトロボットハンドによるピッキング作業のイメージ

 同社のソフトロボティクス事業は、人と協働することができるロボットを活用して、「安心・安全なヒト・モノの移動と動きを支えるもので、化工品・多角化事業の新たな挑戦」(同社)と位置付けている。強みである「ゴムを極める」「接地を極める」技術を核に、タイヤやホースの開発・生産におけるノウハウを活用したラバーアクチュエーター(ゴム人工筋肉)を開発し、ビジネスモデルの探索を進めていく。

 このラバーアクチュエーターは柔軟性、耐衝撃性、軽量・高出力といった特徴がある。現在は人に頼っている様々な作業を同製品で自動化することにより、労働力不足の解消や非接触化といった社会・顧客課題に応えることを目指していく。

 今年7月から開始した実証実験では、日用品や雑貨の卸業、ロボットメーカーなど複数のパートナーとともに、ブリヂストンのラバーアクチュエーターを搭載したソフトロボットハンドを用いて、物流倉庫などでのピースピッキングの自動化に取り組んでいる。一般的なロボットハンドでは、1種類でチューブやボトル、パウチなど様々な形・硬さ・重さの物をつかむことは難しく、ピースピッキングの自動化は課題となっていた。一方、同社グループのラバーアクチュエーターを搭載したロボットハンドは、ゴムの力を活かし1種類のロボットハンドで多種多様な物を柔軟につかむことが可能となる。

 9月13~15日に都内で開催された「国際物流総合展」ではブースを出展し、デモンストレーションを披露した。担当者は「チューニングすることで、カードのように軽くて薄い物から10kg以上あるタイヤまでピッキングすることができる。まずは倉庫内での使用を提案し、将来は事業の可能性を拡大していきたい」と話していた。

 同社では今後も様々なパートナーと実証実験を重ね、物流現場のピースピッキング用のソフトロボットハンドを早期に実用化していく考え。


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