小野谷機工(株)  TB・LT用タイヤチェンジャー  「プロフット PF−09W」

 ラインレーザーで中心合わせが簡単に

 最大タイヤ幅を315ミリへと拡大

 「第37回オートサービスショー2023」が開催され、小野谷機工(株)(福井県越前市)はタイヤ整備機器の新製品と参考出品モデルを出展した。すでに市場で本格的に発売展開したニューモデルも多い。この連載で順次、新商品を紹介する。

 

 TB・LT用タイヤチェンジャーの新製品「PROFOOT(プロフット) PF−09W」は、前のモデルにあたる「PF−295W」を正常進化させた。「PF−295W」が最大タイヤ幅295ミリだったのに対し、「PF−09W」はビードローラーの間隔を拡大し最大タイヤ幅315ミリまで対応する。

本機と坂井さん
本機と坂井さん

 スペックは適用リム径16/17.5/19.5/22.5インチ、チャック可能なハブ穴径110〜480ミリ、最大タイヤ径1100ミリ、最大タイヤ幅315ミリ。

 商品開発本部サービス機器開発部課長の坂井良治さんが実演デモと製品解説を担当してくれた。

 

ダブルビードローラー
ダブルビードローラー

 大型車用タイヤチェンジャー「プロフット」シリーズの最大の特徴は、「ダブルビードローラー」を採用したこと。「ビードローラーがシングルの場合、タイヤの表(おもて)と裏、それぞれの作業のたびにいちいちツールを上げ下げし、ローラーの位置合わせを行う必要があった。実際に脱着作業するまでの間にいくつもの工程を要していた」と、坂井さんは指摘する。シリーズは「ビードローラーをダブルとすることにより、表と裏の作業を同時に行うことができスピーディーな作業を実現し、作業効率を大幅に高めた」と、坂井さんは続ける。「PF−09W」はユーザーから高い評価を得ているこの「ダブルビードローラー」を引き続き採用した。

操作ボックス
操作ボックス

 このビードローラーは油圧による伸縮機能を装備。操作ボックスで作業リム径を選びスイッチを押すだけで、ビードローラーが自動的に径合わせを行いクリアランスを確保する。

 

ラインレーザー装置
ラインレーザー装置

 シリーズの進化を示す新機能は「ラインレーザー装置」を標準で搭載したこと。これはチャック時のセンターポジションを可視化することで作業効率を向上する機能だ。

 坂井さんはホイール付きのタイヤを転がしタイヤリフト台にセット。操作ボックスの「ラインレーザー」ボタンを押す。すると、チャックを行うべき高さの中心部分に緑色のレーザーが照射される。そのレーザーをガイドに、リフトの高さを合わせセンタリングすることで、チャッキング作業をよりスピーディーに行うことが可能となった。

 

 「プロフット」シリーズに装備されたタイヤリフト台にはもう一つ、メリットがある。坂井さんは「ホイールだけタイヤチェンジャーに固定するという作業が必要になることがある。通常の大型車用タイヤチェンジャーの場合、ホイールのみではタイヤ装着時に比べ外径が小さくなり、作業ポジションが低くなってしまう。それをチャッキングの真ん中に合わせようとすると、ホイールを手で持ち上げなければならず作業者に負担がかかった。その際に指を挟んでしまうというヒヤリハット事案も懸念された。しかしこのリフト台に置くだけでホイールが座り固定されるので、ホイールだけのチャッキング作業時でもリフトの上昇・下降を安全に行うことができる」と説明する。

 

油圧の強力なパワーでホイールをホールド
油圧の強力なパワーでホイールをホールド

 タイヤの組み込み作業では、マウントヘルパー「楽なバー」を標準装備として用意。このアタッチメントを使用することで、大型タイヤの強靱なビード部の組み込みを行うときでも、作業者の力に頼ることなく作業を行うことが可能となった。

 また、「PF−09W」には省電力で低騒音の油圧ユニットを搭載した。スイッチ操作で油圧ポンプが起動するので、使用する電力をセーブし騒音の発生を減らした。

 オプションで「タイヤ回転2スピード仕様」各種「ホイール保護リング」を用意し、幅広い作業環境・用途に対応する。

 

 坂井さんは「定評のある『プロフット』シリーズの高い機能性と安全性はそのままに、適用可能のタイヤ幅を315ミリまで拡張した。しかも新機能を搭載することで、作業効率の一層の向上と省力化を実現した」と話す。

 自動車整備業界共通の課題として重くのしかかる安全確保と人手不足。「プロフット PF−09W」はその解決を目指す、小野谷機工からの提案だ。


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