小野谷機工(株)  自動空気充てん機「エアチャージャー TA−01r」&TB〜LT用「セフティーケージ TCS・TACS spec2」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

 ボタンの〝押し感〟をアップ

 多彩な機能を迷わず、間違えずに操作

本機と吉川さん
本機と吉川さん

 小野谷機工(福井県越前市)が「第37回オートサービスショー2023」で出展し、その後に新発売した製品の一つが自動空気充てん機「エアチャージャー TA−01r・02r・03r」&TB〜LT用「セフティーケージ TCS・TACS spec2」だ。商品開発本部サービス機器開発部部長の吉川真仁さんが解説を担当する。

 

「エアチャージャー TA−01r」
「エアチャージャー TA−01r」

 自動空気充てん機「エアチャージャー TA−01r・02r・03r」でリニューアルを図った点について、吉川さんは「ボタンにふくらみをもたせ、〝押し感〟をアップさせたこと」だと指摘する。これまでの機器に採用していたのはフラットタイプのボタン。それだと作業手袋越しの場合とくにタッチ感が薄く、ボタン操作がきちんとできたのかどうか、頼りなさを感じることがあったようだ。

立体感のあるボタン
立体感のあるボタン

 セミオートレバーレスチェンジャーの新製品「エクシード イオタ/イオタプロ」に搭載した自動エア充てん機「PA−01」と同様の設計思想により、今回の「エアチャージャー TA−01r・02r・03r」には立体感のあるボタンを採用。誤操作の未然防止を図った。

 そのボタンも直感的に操作できるよう、配列と大きさ、色分けに工夫をこらした。なかでも強制排気の機能を行う「緊急排気ボタン」は目立つようにひときわ大きく、赤いカラーリングとした。瞬時の判断が求められる状況でも迷わず、間違わずに押すことができる。オプションで20メートルのコード付きの「遠隔操作ユニット」を用意。離れた場所で緊急排気の操作を可能とした。

 機器本体の上部に高輝度の「LED警告灯」を配置。使用状況やエアーの充てん状態をLEDライトの色で識別できる。問題なく作業が進んでいるときには緑色で、なにかトラブルが発生したときには赤色で、というように離れた場所でも現在の作業状況を確認することが可能だ。また、本体の空気圧表示をバックライト方式ではなく自発光タイプとすることで、視認性を大幅に高めた。

 

 「エアチャージャー TA−01r・02r・03r」には「クイック機能」を搭載した。吉川さんは「頻繁に使う空気圧の設定値を3種類保存することができる。よく使う空気圧をインプットしておけば、瞬時に呼び出すことができるので、作業スピードが向上した」と説明する。インプットするデータは上書きが可能なので、作業現場や顧客に応じてその場でデータを書き換えることができる。

 

 任意の一定時間、そのままの状態で待機する「タイマーモード」、パンク修理の確認を行うときに使用する「パンクモード」、LT偏平タイヤに高圧充てんする場合の「LT−HIモード」、ORタイヤなどの内容量の大きなタイヤの充てん作業を行うときの「ORモード」――「モード」ボタンをプッシュするだけで、各種の作業内容に応じることが可能だ。

 機器本体をコンパクト設計とした。アンカースタンド仕様の本体寸法は、ラインホース1本の「TA−01r」で幅330ミリ、ホース2本の「TA−02r」で幅480ミリ、ホース3本の「TA−03r」で幅665ミリ。高さはいずれも1440ミリ。なお圧力測定範囲はいずれも150〜1200kPa。

 

「エアチャージャー TA−01r」を搭載した「セフティーケージ TACS−1S spec2」
「エアチャージャー TA−01r」を搭載した「セフティーケージ TACS−1S spec2」

 TB〜LT用の安全囲いである「セフティーケージ TCS・TACS spec2」シリーズは、ケージの部分は従来機種のまま、搭載する自動空気充てん機を「エアチャージャー TA−01r・02r・03r」に変更したものだ。

 ケージの左右両サイドには「ブラストシールド」という金属製の遮蔽板を取り付けた。万一のタイヤ破裂時に、爆風はケージの上部に逃がす構造とし、ちぎれたタイヤの破片や小石、誘導しきれなかった爆風をシールドで受け止めるという考え方だ。バースト時に激しく飛び散る危険物から作業者の安全を防御する。この「ブラストシールド」は特許取得済み。

 ケージ本体の床下部には「ローラー」を標準装備する(Sタイプ)。ローラー台が回転することでタイヤのバルブ位置合わせが容易となる機能だ。「ブラストシールド」「ローラー」という従来から好評の機能を「spec2」シリーズでもそのまま継承した。

 吉川さんは「エアチャージャーをリニューアルしたことで、大型タイヤのエアー充てん作業時の安全性をさらに向上した。あわせて作業効率を高め、ピット作業場の省人化・軽労化の実現を図っている」と説明。「多彩な機能をコンパクトな本体に搭載することで作業のつながりを向上させた」、そう続ける。

 「安全で、正確なエアー充てん作業はここから始まる」と、吉川さんはその性能に強い自信を示す。


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