技術向上で地元産業の支えに タイヤプロ糸魚川店

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カテゴリー: ディーラー, レポート

 タイヤプロ糸魚川(新潟県糸魚川市)は生産財をメインに扱うタイヤショップ。高瀬商会および新潟トーヨーが展開する「タイヤプロ」の糸魚川店として2006年に営業を始めた。糸魚川市では、鉱山事業やセメント事業が営まれており、多くの産業用車両が稼働している。地域の産業を支える同店の取り組みについて㈱高瀬商会の執行役員糸魚川営業部部長倉又幸成氏に取材した

地域の変化に柔軟に対応

タイヤプロ糸魚川店
タイヤプロ糸魚川店

 タイヤプロ糸魚川店は、高瀬商会がリトレッドタイヤ工場の一部としてタイヤの交換などを行っていた「タイヤケアセンター」を前身とし、2006年から営業している。現在働くスタッフは、営業・サービス・事務の合計7名(うちパート1名)だ。倉又氏はリトレッド工場で1年ほど働いたあと、営業担当としてタイヤの販売に携わっているという。

 糸魚川市は地質遺産を保護し、科学研究や地域振興などに活用する「ユネスコ世界ジオパーク」の一つ。糸魚川市からほど近い黒姫山はセメントの原料となる石灰石からできており、市内に工場を構える明星セメント㈱やデンカ㈱が採掘事業を行っている。

 そのため、鉱山で採掘や運搬に従事する産業用車両や、セメントの原料を運搬するためのダンプトラックのタイヤや交換・補修作業の需要がある。タイヤプロ糸魚川店はそういった生産財タイヤを中心に扱う販売店だ。現在、顧客のメイン層は運送業や土建屋を営むユーザーで、売り上げのうち6割ほどを占めるという。そのほか、車の整備工場やOTRタイヤを必要とするセメント企業など地元の産業を支える人々が主な利用者だ。

 「他の地域と比べてダンプトラックのユーザーが多い」と倉又氏は説明する。ダンプトラックのドライバーはリトレッドタイヤを日常的に利用しており、トーヨーリトレッドとして工場を運営する高瀬商会としてもメリットがある。

高瀬商会の倉又執行役員
高瀬商会の倉又執行役員

 タイヤプロ糸魚川店の新品タイヤとリトレッドタイヤの売り上げの割合は6対4程度で、他のエリアに比べ、リトレッドタイヤの比率がかなり高い。この地域のダンプトラックユーザーは後輪用としてリトレッドタイヤを8本装着するのが当たり前になっているようだ。長年にわたり高品質なリトレッドタイヤを供給してきたこと、「地域の理解を得られていることは当店の強みでもある」と倉又氏は話す。

 市内での運搬を担うダンプトラックは、リトレッドタイヤの故障が少ない。タイヤプロの営業活動や顧客の間での意識付けが進んでいることにより適切な使用方法がこの地域に浸透していると言えるだろう。

 近年はインターネットで購入したタイヤの取り付け依頼も増えている。市内にある競合店では持ち込みを受け付けていないこともあり、口コミで利用者に広まっているようだ。

 倉又氏は「大口径になればなるほど、海外メーカーと国内メーカーの価格差がある」とした上で、「偏平タイヤやインチの大きなタイヤの交換をすることになるため、それに見合う工賃を頂くことが可能になる」と説明する。その分作業は増えるが、サービススタッフ2名に加えて営業担当者もタイヤ交換を行うことができるため、繁忙期はサービス業務を行うこともある。

 あわせて、サービスカーでの出張も行っている。現場に行かないと作業ができないパンクの補修や、鉱山用車両などへの対応がメインで、乗用車用タイヤの交換を行うことは少ないという。糸魚川市内であればおおむね30分以内に店舗まで来ることができるという地理的な特徴に合わせた業務形態での営業スタイルとなっている。

 さらに、高瀬商会は地元密着企業として長く根付いており、地域の自動車整備事業者との結びつきも強い。タイヤプロ糸魚川店は販売に加え、そういった事業者に対する消費財タイヤの卸も行っており、糸魚川地域のタイヤを“任されている”販売店と言える。倉又氏は「高瀬商会の運営するタイヤ販売店として市内で広く認知されているほか、広い敷地を利用したタイヤの保管など、より顧客のニーズに応えられる面もユーザーの便利に良いのではないか」と強みを分析している。

タイヤプロ糸魚川店のピット
タイヤプロ糸魚川店のピット

 また、サービスカーを利用してOTR車両のタイヤトラブルへ素早く対応していることなども評価を受けているようだ。石灰石の採掘に使う車両の大きなタイヤも扱えるようにするため、スタッフが県外に研修に行くなど技術の研鑽にも努めている。スキルを向上することで、市外や近隣の県の需要を確保する狙いもあり、実際に他県に出張する場合もあるという。

 地域の足をしっかりと支えることで事業は成り立っている。ただ、近年糸魚川市では若年層の流出や高齢化が進んでおり、人口も減少が続く。この問題に対応するのが今後の課題となる。

 タイヤプロ糸魚川店では、OTRタイヤに関する技術をさらに高めることでサービスの質を上げて、工賃による売り上げを確保することを目指す。あわせて、運送事業者が抱える運転手の高齢化が進んだことで生じるタイヤ交換作業の需要にも応えていく。倉又氏によると、「この2~3年は運転手不足から、運送事業者が定年延長者を採用している場合が多い。高齢のドライバーが残業でタイヤの交換を行うことは難しいため、運送事業者から交換サービスの依頼を受けることが増えた」という。

 地域社会の変化に柔軟に対応し、新たな需要に応えていくことがこれからの次代に適応していく鍵となる。タイヤプロ糸魚川店は“縁の下の力持ち”として糸魚川を支えていくだろう。


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