雪道での安心を オールシーズンタイヤ乗り比べ①日本グッドイヤー

 2月に横浜ゴム、トーヨータイヤ、日本グッドイヤーの3社がオールシーズンタイヤの試乗会を開催した。「夏タイヤとしての基本性能を確保しつつ、雪にも対応できる」と、各社がその性能に自信を示すオールシーズンタイヤ。その実力は――。

 日本グッドイヤーは、国内で2種類のオールシーズンタイヤ――「Vector 4Seasons Hybrid」(ベクター・フォーシーズンズ・ハイブリッド)と「Assurance WeatherReady」(アシュアランス・ウェザーレディ)をラインアップしている。

 欧州で開発した「Vector 4Seasons」はセダンやコンパクトカーに適したモデル。一方、北米発の「Assurance WeatherReady」はSUVサイズの要望に応えて導入した。現在は両商品で、国内市場のボリュームゾーンである13~18インチを中心に、軽自動車から大型SUVまでカバーする58サイズを揃える。

 「Vector 4Seasons」では、Vシェイプトレッドを採用してウェット路面で優れた排水性を発揮させると同時に、高い運動性能も図った。トレッドには、オールウェザーシリカコンパウンドを適用。マーケティング本部の岸宗弘プロダクトマーケティング部長は、「柔軟性を保ち、トラクションを確保する特徴があり、四季を通じて高い性能を発揮するゴム」と説明する。また、サイプは単純な切り込みではなく立体構造とした。走行時にはトレッドブロックの倒れ込みを防ぐ効果があり、高い操縦安定性と耐偏摩耗性を目指している。

 一方、「Assurance WeatherReady」は、車重のあるSUVでも安定した操縦安定性を発揮するため非対称のトレッドパターンを採用した。アウト側リブのバイアスグルーブ溝はウェット性能を高める効果も持つ。トレッドゴムには、従来の石油系の油の代わりに大豆オイルを活用し、「環境面の効果があるほか、低温時にも柔軟性を保つ。これにより、あらゆる路面で高いトラクションを発揮する」(岸氏)という。また、ベクターと同様に3次元構造のサイピングでブロックの動きを抑制した。

 2月21日には、福島県のグランデコスノーリゾート駐車場の特設会場で雪上試乗会を開催。スバル「インプレッサ」に「Vector 4Seasons」、トヨタ「RAV4」に「Assurance WeatherReady」をそれぞれ装着し、時速20~40kmでスラローム走行やダブルレーンチェンジを行った。

 スタッドレスタイヤ「IceNavi 7」(アイスナビ・セブン)などと比較試乗したが、コースは凍結路面でなく低速であったこともあり、大きな違いは感じられない。オールシーズンタイヤで少しスリップすることはあっても、問題なくコントロールできる程度だった。

 金原雄次郎社長は、自社のオールシーズンタイヤについて「高いレベルでバランスが取れている」と自信を示し、バンなど商用車用サイズを開発していると明らかにした。年間を通して発揮する優れた性能や、その利便性を発信することで更なる拡販を目指す。

関連:存在感示せるか――ラインアップが拡大するオールシーズンタイヤ


[PR]

[PR]

【関連記事】