リトレッドタイヤ普及でSDGs貢献。JATMAの調査で鮮明に  資源使用量とCO2排出量を削減

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カテゴリー: ニュース
リトレッドタイヤ製造プロセスのバフィング工程
リトレッドタイヤ製造プロセスのバフィング工程

 日本自動車タイヤ協会(JATMA)は、トラック・バス用更生タイヤ(リトレッドタイヤ)の普及による資源使用量とCO2排出量の削減効果についてまとめた。それによると、リトレッドタイヤ普及による資源削減量は23年年間で約4.9万トンとみられる(22年は約4.7万トン)。またリトレッドタイヤ普及による日本国内市場でのCO2削減量は推定で22.1万トンと算出した(22年は21.2万トン)。いずれも前年から順調に削減が進んでいる。

 

 リトレッドタイヤは、走行することで摩耗したタイヤのトレッドゴムを貼り替えることでその機能を復元させ再使用するもの。摩耗したタイヤを土台として使用すること(=台タイヤ)で、省資源に貢献しコストパフォーマンスに優れる。

 海外では環境への対応とコストメリットの観点から広く普及し、トラック・バス用に限らず各分野で一定の市場規模を得る。欧米市場ではトラック・バス用のおよそ半数をリトレッドタイヤが占めると指摘。また、あまり知られていないが、クルマよりも過酷な使用環境にある航空機用タイヤは複数回でのリトレッド利用がほとんど。

 しかし、日本市場では新品タイヤへの志向が強く、リトレッドタイヤは普及の度合いが低いまま推移している現状だ。先に明らかにされた更生タイヤ全国協議会(更タ協)の統計調査によるとリトレッド率は20%に達したばかり。ただ、気候変動への対応を図るため、タイヤメーカー各社はその取り組みの一環として、新品タイヤとリトレッドタイヤをパッケージングした各種の施策を進めている。

 リトレッド率は、リトレッドタイヤ本数を国内販売本数合計(=新品タイヤ+リトレッドタイヤ)で割り算し、その数値に100を掛けて算出する。23年の新品タイヤ販売が22年実績に対し減少する状況で、リトレッドタイヤの販売本数が増加。過去5年間18%前後で推移していたリトレッド率が23年に20%台へと到達したのはマイルストーンとなる。

 

 今後のカギを握るリトレッド率の向上

 

 タイヤ業界では、タイヤのライフサイクル全体で資源使用量とCO2排出量の削減に取り組みを進める。その効果算定のため、JATMAは21年に「タイヤのLCCO2算定ガイドラインVer.3」を発行。今回発表のデータもそのガイドラインに基づく。また販売実績は更タ協の統計調査がベース。

 リトレッドタイヤの生産は台タイヤを再利用するため、新規で投入する材料はトレッドゴムのみとなる。このため新品タイヤの生産に比べ、資源使用量で約69%、CO2排出量で約65%、それぞれ削減することが可能だ(LCCO2算定ガイドラインによる。代表サイズ275/80R22.5で計算)。

 23年資源削減量を275/80R22.5サイズの新品タイヤの平均的な重量に換算すると約88万本分に相当する。また、23年CO2排出量の削減量も代表サイズの新品タイヤ約121万本を生産する際のものに相当する。

 JATMAは今回の調査から「リトレッド率とCO2排出の削減量は比例関係であり、国内市場でリトレッドタイヤの使用が増えていくことにより資源使用量とCO2排出量の削減への貢献が期待できる」と分析。国内のリトレッド率が海外と比べると低い状況にあることを踏まえ「リトレッド率が高まることで、さらなる貢献が期待される」と考察している。


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