台湾企業 探訪① 日本市場に熱い視線

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カテゴリー: レポート, 現地

グローバルに右肩上がりで販売伸ばす

 「我々のタイヤが台湾ブランドであることを前面に出したい」――その言葉には日本との繋がりに対する思いと、彼らの自信・自負の一端がうかがえる。

 日本のリプレイス市場はPC5100万本、LT1400万本、TB500万本、合計7000万本。世界有数の市場であることに間違いない。そのマーケットに彼らが魅力を感じないわけがない。競争舞台に上がる裏付けを積み上げ、いま、日本のリプレイス市場に挑む好機と捉えているものだ。

 ただ、「日本ブランドに近づくには、これからも相当努力しなければならない」とあくまで向上心旺盛。激戦市場の舞台に上がる覚悟は本物に見える。

 当然、彼ら同士の競争もある。最も販売実績が高いのはNANKANGで約120万本と先んじている。KENDAは約40万本、MAXXIS、FEDERALは推定数十万本とすれば、4ブランド合計で200数十万本となる。これに南港輪胎製のLUCCINIブランドを加えると300万本強と見られ、PC+LT市場に占める台湾勢のシェアは約5%と推測される。それをどれだけ伸ばせるかが注目されるが、当面、彼らは韓国ブランドを射程に入れているようだ。

 台湾メーカーの業績は右肩上がりで伸長し、この10年間で倍増どころか3倍、4倍に増加した。米国、欧州、中国・アジアで販売を伸ばしてきた結果である。グローバル化を進める中で日本市場での事業強化はある意味、避けては通れぬ試金石。商品、価格、ブランド構築、流通確保、チャネル政策など課題山積でもある。台湾ブランドの風は、まだ吹き始めたばかりだ。

関連:台湾企業 探訪② 南港輪胎/NANKANG  台湾企業 探訪③ 正新/MAXXIS  台湾企業 探訪④ 建大工業/KENDA


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