攻勢に向けて体制強化 国内タイヤメーカー4社の2020年業績予想

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カテゴリー: ニュース

 2020年は国内タイヤメーカーの業績に好転の兆しが見えてきそうだ。2月17日までに各社の業績予想が出揃い、全社が増収営業増益を見込む。昨年までは為替の影響や原材料高、固定費などが重荷となっていたが、今期はグローバル生産量が拡大し、高付加価値タイヤの販売増が見込まれるほか、石油系原材料価格の下落も利益面で追い風となる。ただ、各社とも現時点では新型肺炎の感染拡大による影響は織り込んでおらず、事態が長期化すれば需要減などが懸念される。

国内4社の決算概要表
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 ブリヂストンの2020年のグローバルタイヤ販売は対前年比で乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤともにプラスとなる見込み。北米の新車向けが落ち込むものの、超大型・大型の建設・鉱山車両用タイヤや乗用車用で18インチ以上の高インチタイヤの需要も引き続き期待できる。

 今年度から国際会計基準(IFRS)を任意適用したことでタイヤセグメントのみの業績予想はないが、市販用タイヤの販売増やミックスの改善を進めることで、調整後営業利益ベースでは数量で260億円、売値で150億円がプラスに働く。17日に開いた会見で菱沼直樹CFOは、「日本で為替の影響や海外の現地生産化により減益となるが、ほかの地域ではいずれも増益となる」と見通しを述べた。

 住友ゴム工業のタイヤ販売本数は全体で3%増加する見通し。特に海外市販用が北米やアジアで堅調に推移する。新車向けは国内が前年並み、海外は4%減と落ち込むが、タイヤ事業全体では増収増益を予想する。

 今期の純利益は、182億円を計上した減損損失の影響がなくなることから約2.9倍を見込む。山本悟社長は「新たな中期経営計画に沿ってグループ一体となり利益基盤の強化に取り組んでいく」と強調した。

 横浜ゴムのタイヤ事業は高付加価値タイヤの拡販によるミックスの改善により事業利益が13.8%増を見込む。北米で昨年から日系自動車メーカー向けの供給が増えたほか、2019年に新商品を相次いで投入した効果で市販用も伸びる。

 さらに、三重工場の生産拡大に合わせて超偏平シングルタイヤの展開を強化するなどトラック・バス用タイヤの拡販も進める。ATG事業も好調に推移するもよう。

 ただ、純利益は前期にあった土地売却益がなくなるため9%減となる。

 TOYO TIRE(トーヨータイヤ)のタイヤ販売はグローバルで5%増と予想。昨年は欧州向けなどで一部供給量が追いつかなかったが、今期はマレーシア工場の増産分で対応できるようになる。タイヤ事業の営業利益は11.1%増となり、営業利益率は前期より0.9ポイント高い13.4%に達する。

 為替の影響や新車用の需要減などによって各社の下方修正が続いた昨年から一転、今期は高性能タイヤの拡販や生産体制の強化などで、攻勢に転じることが期待される。

 ※次ページに2019年の振り返りと記者会見の概要を掲載しています


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