強み活かし事業拡大へ 住友ゴム、横浜ゴムのトップが会見

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カテゴリー: ニュース

 住友ゴム工業の山本悟社長と横浜ゴムの山石昌孝社長がこのほど記者会見を行い、2021年の取り組みを振り返るとともに、来年以降への展望を語った。原料高や海上運賃の高騰など不安定材料も少なくない中、独自のソリューション事業や高付加価値タイヤの拡販など、強みを発揮して収益力を高めていく方針だ。

住友ゴムの山本社長
住友ゴムの山本社長

 住友ゴム工業の山本悟社長は、12月13日に開催した会見で2021年を振り返り、「世界の製販拠点の効果最大化を目指し、高機能商品の開発、増販、競争力強化に取り組んできた」と述べた。

 生産面では、需要に応えるため米国やブラジルで増産投資を発表。地産地消化で収益力を強化する。北海道の名寄タイヤテストコースでは国内最大級の屋内氷上試験施設を開設し、冬用タイヤの更なる高性能化と開発期間短縮を図る。

 新車用タイヤはグローバルで装着が拡大した。さらに今後、EV(電気自動車)に求められる低転がり抵抗や高耐久性、低発熱化、軽量化、静粛性といった様々な性能を組み合わせながら、車種ごとに最適なタイヤの開発を行っていく。

 環境面では、サプライチェーン全体を通して、タイヤを含む全事業でCO2排出量の削減や原材料のバイオマス化およびリサイクル化を推進し、持続可能な商品開発を進める方針を公表している。中でも製造では今年、加硫工程における水素の活用を目指した取り組みを始めた。

 また、ソリューションサービスとして、これまでに空気圧・温度管理サービスの実証実験を行い、スローパンクチャーの早期発見などタイヤトラブルの未然防止に貢献できることが分かったという。加えて、点検作業の効率化や燃費改善にも寄与することを確認した。

 空気圧管理サービスは今年、福岡県の直営店2店舗で乗用車向けに提供開始したほか、2022年には事業者を対象に販売する。将来的には、センサーのようなハードウェアを使用しない独自のセンシング技術「センシングコア」の提供なども計画している。

 2022年の社長方針に関しては、品質管理の不適切事案が今年判明したことを踏まえ、「最高の安心とヨロコビ」の提供などを指針とする同社の企業理念体系を、事業活動の中で実践することを掲げた。また2025年までの中期計画の達成に向けたグローバル体制の成果の最大化や、持続可能な社会の実現に貢献することも方針として示した。

 山本社長は「グループ社員全員が企業理念体系を意識し、全社一丸となって中期計画の達成に取り組むことで、社会からの期待に応える価値ある企業グループを目指す」と意気込みを語った。

 横浜ゴムの山石昌孝社長は今年の経済状況について、「第1四半期は国内での降雪もあり、新型コロナウイルスの感染拡大の中、収益的には一定の結果となった」と話した。一方、第2四半期後半は原材料価格の高騰や世界的なサプライチェーンの混乱、第3四半期は半導体や部品不足による自動車メーカーの大減産の影響を受けたという。

横浜ゴムの山石社長
横浜ゴムの山石社長

 第4四半期は、原材料高やコンテナ不足が継続していることに加え、中国の電力不足による生産の一部停止などの懸念があるものの、「11月中旬より自動車メーカーの生産が戻ってきたのは明るい兆し」と期待感を示した。

 タイヤ事業では、新車用・市販用ともに売上収益と事業利益が前年を上回った。特に、市販用は高付加価値商品の拡販に努め、北米や欧州で販売が伸長。1~11月期は、「ADVAN」(アドバン)や「GEOLANDAR」(ジオランダー)、ウィンタータイヤといった高付加価値商品の販売本数比率が前年同期比2ポイント増の42%に向上した。また、18インチ以上の大径タイヤの販売本数比率も2ポイント増の20%とプラスとなっている。

 ATG事業は、原材料や海上運賃の影響をうけたものの、農機メーカー向け・市販向けの販売が好調に推移した。事業利益と売上利益は過去最高を記録している。

 2022年は新型コロナや原材料価格の高騰、自動車生産の動向、物流網の混乱といった変化の激しい状況が続くと想定し、先手を取りつつ柔軟な対応を目指す。タイヤ事業では高付加価値商品の比率拡大を推進する。

 ESGでは、2050年のカーボンニュートラルに向けた工程表を策定し、2月に発表する予定。各国政府やカーメーカーからの環境要求に応える方針を示す。山石社長は「自社の省エネ改善と、再生可能エネルギーへの転換を進め、カーボンニュートラルを推進するとともにサーキュラーエコノミーの取り組みを確実に進める」と意欲を示した。


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