ピレリ 新型コロナの影響で2020年業績を下方修正 需要2割減も

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カテゴリー: ニュース

 伊ピレリは4月3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年通期業績見通しの下方修正を発表した。売上高は前年比17.3%以上減の43億(約5081億円)~44億ユーロ、調整後EBIT率は2.2ポイント以上減の14~15%の見込み。前回発表からそれぞれ10億ユーロ以上、2ポイント以上の引き下げとなる。

 販売数量は前回予想から18ポイント以上減って18~20%のマイナスとなる見通し。高付加価値タイヤ部門は14%減、スタンダードタイヤ部門は26%減と見込んでおり、ともに20ポイント超の下方修正となる。

 同社では「新型コロナウイルスによる非常事態はグローバル経済に影響を与え、生産および消費は総じて落ち込むだろう」としており、2020年の世界のタイヤ市場は19%減と予想。新車用タイヤ市場はグローバルで新車生産台数が減少することから21%のマイナス、市販用は各国の移動制限措置などの影響で18%の減少と想定している。

 また、これを受けて同社は投資額を当初予定の3億ユーロから1億3000万ユーロに見直し、工場のマネジメントやミックス改善、品質向上といった活動に充てる計画を示した。減産や様々なコスト削減策なども実施し、収益性の確保を図っていく。

 なお、今後3カ月間は、マルコ・トロンチェッティ・プロベラCEOは固定報酬の50%を返上するほか、取締役らは報酬の50%、リーダーシップチームのマネージャーらは固定報酬の20%を放棄する。これらの役員報酬の減額で約3100万ユーロのコスト減となるという。

 さらに、2019年の配当を見合わせたほか、2020年第4四半期には今年2月に発表した3カ年の経営計画の目標を見直す方針も発表した。


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