TOYO TIRE  第6回トラック・バスタイヤ作業コンテスト  作業品質と顧客への提案力向上へ

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実技テストのワンシーン
実技テストのワンシーン

 TOYO TIREは10日・11日、前橋市の群馬県交通運輸会館でトラック・バスタイヤ作業コンテストを開催した。同コンテストは2018年9月に第1回を開催。20年・21年は新型コロナ感染拡大期のため中止したものの、22年から再開しことしで第6回目。10日に筆記テスト、11日に実技テストを行った。

 

 

 品質と安全を守るサービスクルー資格

 

TOYO TIREとTTJの幹部
TOYO TIREとTTJの幹部

 TOYO TIREは第6回コンテストの実技テストと出場者に対するインタビュー、表彰式のもようを報道関係者に公開した。

 このコンテストの開催目的について、品質保証本部生産財技術サービス部の古川正人部長は次のように語る。「モビリティの一画を担うタイヤメーカーとして、モノづくりの根幹である品質と安全を守り抜く。『DRIVE SAFE(=気をつけて)!プロジェクト』を合い言葉に、安全に関わる取り組みの充実を図っている。本日はサービスクルーの皆様が日々、積み重ねてきた努力の成果を披露するステージ。お客様の安全を守るための技術と意識の向上に努めていく」

 作業コンテストの基本テーマは4点。「作業手順の標準化」「サービスクルーの作業知識・作業スキルのレベルアップ」「サービスエンジニアの育成」「TOYO TIREグループの作業基準の徹底」だ。

 そのテーマに則り、TOYO TIREは独自の「サービスクルー資格」制度を展開。サービスクルー研修の受講者は「☆ サービスエンジニア」、そのうえでコンテストの筆記・実技で社内規定以上の成績をあげると「☆☆ サービスエキスパート」となる。さらにコンテスト優勝・準優勝者には「☆☆☆ サービスマスター」の資格が与えられる。

 トーヨータイヤジャパン(以下TTJ)の山邊憲一社長は「タイヤ販売会社は営業職とひとくくりでみられることが多いが、営業だけでなくサービスやフロント、バックオフィスの態勢があって成り立つ。サービスクルー制度は社の資格として給与体系などに反映し、社員のエンゲージメントに寄与する」との考えを明らかにする。

 近年、車輪脱落事故の発生件数が高止まりしていることを背景に、行政と業界は事故防止に向けた啓発活動に意欲的な取り組みを進める。このコンテストでもこれまで、標準作業の徹底をはじめ、増し締め来店の訴求や点検・清掃の重要性を審査ポイントに置いていた。

 その経緯を踏まえ第6回コンテストは、車輪脱落事故防止に向けてのコミュニケーション力と作業品質の高さを重視。TTJ執行役員生産財販売統括部の林浩明部長は「正しい作業知識・適切な報告書作成・不良原因の予見の習得度合い、作業内容や点検内容の説明と作業後の増し締め入庫の提案がポイント」と解説した。

 

 TTS会から初参加。過去最多15名で競う

 

 第6回コンテストの参加者は15名で、過去最多。また今回、TOYO TIRE SHOP(トーヨータイヤショップ、以下TTS)会のメンバー店が初参加。TTS会から8社8名、TOYO TIREの自主系代理店から2社3名、TTJから4名が筆記テストと実技テストに臨んだ。また、審査員は過去のコンテストで優勝・準優勝を果たしたサービスマスター9名が担当した。

 筆記テストはサービスマニュアルと時事情報から出題され、試験時間60分で満点100点。

 実技テストはUDトラックスの大型トラクターヘッドを使用し、新ISO規格ホイール装着車両の増し締めとタイヤローテーションを実施した。それら作業を通じ「顧客への報告と対話をベースにタイヤの最適運用をいかに提案することができるか」「シチュエーションとして設定した、自社が低シェアの顧客から信頼関係を構築しTOYO TIREブランドの取引拡大につなぐことができるか」が重要ポイント。制限時間30分で、審査員は177カ所におよぶ項目と全体の印象から満点200点で評価した。

 

 TTJ東京販売部の町田和浩氏が最優秀賞

 

表彰式・賞状を手にする町田氏=中央右=と香野氏=中央左=
表彰式・賞状を手にする町田氏=中央右=と香野氏=中央左=

 二日間の試験の結果、最優秀賞はTTJ東京販売部青梅営業所の町田和浩氏が獲得した。町田氏は過去のコンテストで優秀賞に選ばれており、今回は頂点をめざしての再チャレンジ。みごとにトップの座に就いた。優秀賞は株式会社フラットアウトの香野威氏。TTS会から初参加にして初受賞を果たした。また、TTJ栃木販売部の伊澤徹氏がサービスエキスパート資格を獲得した。

総括する野崎本部長
総括する野崎本部長

 TTJ取締役執行役員営業本部の野崎豊本部長は「参加者の作業レベルが非常に高くなっている。今回TTS会から初参加いただいたが、普段からお客様と近いところで仕事をされているので工夫があり、大きな刺激をいただいた。作業の標準化は着実に進んでいるので、そこからの発展が今後に期待できる」と講評した。

 また、本紙は2名に「コンテスト参加を通して会社の後輩に伝えたいこと」を訊いた。東港タイヤサービス東海店の長谷川陽一氏は「コンテストに出場して、安全作業が大事だと改めて思った。作業を早く終わらせることにとらわれるとミスにつながりかねない。声出し確認が重要だ」、茨城トーヨー水戸営業所の大内悠矢氏は「作業は安全が第一。車輪の脱落事故防止に向け点検・清掃がいかに重要か、自分の経験を伝えつつ、知識として吸収できるものは吸収していきたい」と語った。

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