
住友ゴム工業は、北海道大学内に新たに共創型研究拠点「住友ゴム イノベーションベース・札幌」を開設した。フィジカルAIなど先端技術の研究・実用化を通じて未来のものづくりと社会的価値の創出に取り組む。
異分野融合のイノベーション創出をめざす研究拠点としては、23年に開設した「住友ゴム イノベーションベース・仙台」に続く2拠点目。
「北海道大学 総合イノベーション創発機構 データ駆動型融合研究創発拠点(D-RED)における新研究拠点の設置について~イノベーション創出に向けて~」と題した説明会が2日、住友ゴム東京本社で行われた。
水野洋一常務執行役員は「D-REDのAI活用は当社長期経営戦略R.I.S.E.2035のイノベーションの核となる。もはや1社だけで未来を切り開く時代ではない。北海道から世界へ、共創の力が次の社会を動かす原動力となることを信じ全力で取り組む」とあいさつした。
北大の副学長でありD-RED拠点長/情報科学研究院の長谷山美紀教授は、24年4月開所したD-REDを「先端融合研究の実証と社会実装の加速が大前提。新しい産学連携の形態で新しいビジネスフィールドを切り開くこと」が開設の目的と位置付ける。住友ゴムとの連携強化について「D-REDでは初の材料化学系のメーカー。われわれは研究者だが、特に博士課程では研究技術を身に着け社会に貢献する人材育成が重要。新しいフィールドでの人材育成という意味でも感謝」とコメントした。
会場ではゴム材料の電子顕微鏡画像生成などのAI技術が展示され、北大の学生らが説明に当たった。