
三洋貿易が1月に上市した高速バッテリー診断機「EverBlüe Drive(エバーブルードライブ) EXT010」=写真=。EV車両はこれまでバッテリー劣化度を分析するのが容易ではなく、そのために中古車市場ではICE(内燃機関)車と比較すると年式や走行距離にかかわらず安値で取引されることが多かった。同社は中国スタートアップ企業が開発したバッテリー診断機を日本市場向けにカスタマイズ。導入ターゲットのひとつに整備事業者を据えており、「従来の整備事業に加えることで、今後増えるEVユーザーの顧客獲得につながる」とメリットを訴える。(前・後編の2回/前編)
ゴム・化学品から自動車部品までを取り扱う三洋貿易。自動車関係ではこれまでにシートヒーターやランバーサポートなどを海外メーカーから完成メーカーに納品してきた。一方で、クルマ業界で膾炙するのは「100年に一度の大変革」。その大変化への対応にも力を入れる。
その一環でことし1月にEVバッテリーメンテナンス関連機器のトータルブランド「EverBlüe Drive」を立ち上げた。シリーズの第一弾として、バッテリー診断機の取り扱いを始めた。
EV保守メンテは同社にとっても「将来の事業の柱になる可能性を秘めた潜在コア事業」のひとつだ。バッテリー診断機以外にも、充放電機やバッテリーバランス調整機など、メンテナンスツールを同ブランドで展開していく予定だという。(後編へつづく)