タイヤゲージは精度が〝命〟
先進技術の作動は正確な空気圧あってこそ

『4月8日 タイヤの日』の前日、『4月7日 タイヤゲージの日』を制定したのが旭産業。タイヤの空気圧を適正に管理するために、そのおおもととなるタイヤゲージの精度が正しく保たれているのか、そこに目を向けてほしいという老舗専門メーカーの願いから発案されたもの。認定・登録されてからことしで18年となる。整備の現場で作業の品質が改めて問われる現在、高精度のタイヤ空気圧測定器を市場で展開する旭産業のこれからの取り組みについて、石田明義社長(写真左)と営業部の結城勝浩部長に聞いた。
タイヤゲージは精密機器。取り扱いに注意を
——タイヤゲージの精度を保つことの重要性を訴求し続けてきているが。
石田 タイヤゲージは精度が命であるということを、『4月7日 タイヤゲージの日』の取り組みを始めてから少しずつ認識いただけるようになってきたとみています。ただそれでも作業の一連の流れからでしょうか、工具と同じような扱われかたをされている場面がまだ見受けられます。
タイヤゲージをスパナやレンチのように放り投げたり、それらと一緒に工具箱にしまわれるということもあるようです。タイヤゲージは工具ではなく測定器である、という認識がさらに高まることを願っています。
タイヤゲージの専門メーカーである当社では、作業の効率性を高めながら、ゲージを管理しやすいサポートツールを開発し上市しています。たとえばその一つがゲージ専用ホルダー。ゲージを定置管理することができます。強力なマグネットを採用していますので、タイヤチェンジャーや安全カゴ、リフトといったタイヤ整備作業まわりにセットすることが可能です。作業中いつでもゲージを取りやすく、落下を防止することができます。
定置管理を行うことで、タイヤゲージは測定器であり精密機器である、そういう意識が高まればと思っています。
タイヤゲージは精度がいかに重要か。当社にとって永遠のテーマなのかもしれません。適正なタイヤ空気圧の充てんをと呼び掛けても、そもそもタイヤゲージの精度が正確でなければ意味をなしません。
「タイヤゲージ? ウチのは大丈夫。針が動いているから」、そう言われるかたがいらっしゃいます。ですがタイヤゲージの内部は精密な部品で構成されており、強い衝撃が加わると精度に狂いが生じかねません。また構成部品には経年により劣化するものもあります。
作業しながら、針の動きかたやレバーの操作感、ネジ部に緩みがないかなど、日ごろからゲージの状態を気にしていただきたい。「あれ、いつもと違うぞ」と、ささいなことでも違和感をもたれたら、すぐにご相談いただきたいと思います。
タイヤゲージの精度について、確認することが可能な精度チェック機器を当社では開発し発売しています。タイヤ販売会社やカーディーラーを中心に普及してきていますので、このような精度チェッカーを利用することで、自店でお持ちのタイヤゲージの精度を定期的に確認されることをお薦めしています。
最近は「『タイヤゲージの日』でお客様のタイヤゲージの精度を測定しに行くので、その前に精度チェッカーの精度を確認しておきたい」と、万全を期して臨む皆さまが増えつつあります。
(後編につづく)