【東洋ゴム】強みに経営資源を集中 2020年までの中計発表

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カテゴリー: ニュース

 東洋ゴム工業は3月10日、2020年12月期を最終年度とする4カ年の中期経営計画を発表した。タイヤ事業では欧州を候補に新工場の設立や既存工場の拡張を検討し、供給能力を拡大させるとともに、SUV用タイヤなど高付加価値品の販売を伸ばし、売上高は2016年実績と比較して3割増を目指す。

タイヤ事業の売上高3割増へ

中計2020の数値目標
中計2020の数値目標

 3月10日に大阪市内で行われた会見で清水隆史社長は、「タイヤ事業を中心に資金や人材、技術を当社の強みに集中させ、特徴ある独自のポートフォリオを磨きながら成長していく」と計画達成への意気込みを語った。その上で「我々は量を追う会社である必要はない。強みをさらに強くして存在感を持ち、高い利益率を維持する」と事業戦略の方針を述べた。

 新中計では2020年12月期の連結売上高を2016年実績より25.7%増の4800億円、営業利益は21.7%増の600億円を目指す。事業別ではタイヤ事業の売上高は31.6%増の4000億円、営業利益は23.3%増の560億円、営業利益率は14%を目標に掲げた。2017年から2020年までの4年間の設備投資額は累計1280億円で、このうち約9割の1120億円をタイヤ事業に投じる。

 同社の収益源となっている北米市場ではSUVやピックアップトラック向け大口径タイヤの商品力向上と増販に向けた体制強化を進める。また400億~500億円を投じて欧州地区を視野に入れた工場の新設やマレーシア工場の生産増強により供給能力の拡大を図る。その結果、2020年時点での販売数量は2016年比900万本増の3500万本に引き上げられる見込みだ。

東洋ゴム会見
(左から)水谷友重常務、高木康史常務、清水隆史社長、櫻本保常務、金井昌之執行役員

 一方で「当社はやみくもに量を出していく考え方ではない」(高木康史常務)と強調する。高付加価値タイヤの販売に注力して成果を上げた北米市場での成功例を他の地域にも展開していくことで、高い営業利益率を維持していく方針だ。

 清水社長は「中近東などまだまだ我々が勝ちうる土壌がある。当社の強みを全世界へ広げながら営業利益率の向上に努めていく」と話す。さらに「地産地消は考えていない。新生産拠点はデリバリーも含めて考えたい」と述べ、競合他社とは異なる独自の戦略で勝ち抜いていく考えを示した。

欧州でタイヤ技術を蓄積 ダイバーテックは自動車部品を軸に

 技術開発では2020年までに欧州にR&D機能を設置する。金井昌之執行役員は、「欧州はウェットやノイズといった技術への難易度が高い。新たにチャレンジしていくことで技術基盤が蓄積される」としており、現地で鍛え上げた技術を商品開発に活かして、将来的にアジアや中東、アフリカ市場などに展開する。

 また北米では100億円以上を投資して、R&D機能の拡充のほか、プルービンググラウンドの設立も検討し、市場ニーズに適した開発を加速させていく。

 北米市場では新車販売がピックアップトラックやSUVへシフトしているため、今後も交換需要が期待できるという。2020年までに米クーパーや韓国のハンコックを上回る6%以上のシェア獲得を目指して拡販に挑んでいく。

 ダイバーテック事業では、自動車部品事業を軸に据えた。タイヤやゴムの研究で培った技術を様々な領域と融合させ、NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)技術やセンシング技術など次世代技術の開発に取り組み、新車メーカーに対する総合的な提案に繋げていく。

 なお一部で報道があった事業売却については、「再発防止策の中で評価を行っており、方策を検討中である。現時点で正式な決定事項はない」とコメントした。また延期になっていた伊丹市の新本社への移転は、今年7月末をめどに完了する計画を明らかにした。


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