シンクロウェザー/ウィンターマックス

ダンロップタイヤは今季の冬商戦をオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの2本の柱で展開する。注力するのは「SYNCHRO WEATHER(シンクロウェザー)」と「WINTER MAXX(ウィンターマックス) 03」、そしてSUV向けの「WINTER MAXX SJ8+」だ。ダンロップタイヤの消費財マーケティング1グループの松村尚典氏は「多様化する消費者ニーズに応えていく」との考えを強調した。
オールシーズンとスタッドレスの2本の柱で
―昨年冬商戦の振り返りと今年の見立てを。
23年冬商戦は業界全体で需要は低調だったが、24年は例年並みの需要に戻ったと認識している。ただ暖冬などの最近の気候もあり、コロナ前の水準には戻っていない。
スタッドレスタイヤの中で需要を伸ばしているのはSUV向けだ。新車販売台数でもSUVは人気を博しており、それがタイヤ販売にも反映されている。
加えて、当社は次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER」を24年10月に上市し、従来のスタッドレスではカバーできていなかった非降雪あるいは準降雪エリアの消費者の「タイヤ交換の手間なく、年に数回だけの降雪に対応したい」「普段はスタッドレスタイヤを履かないが、オールシーズンタイヤで氷雪路が走れるようになり行動範囲を広げたい」といった潜在的なニーズをとらえることができた。
特に「氷上も走行できる」ことは大きなポイントになっている。引き続き、オールシーズンとスタッドレスの2本の柱を展開することで、多様な消費者のニーズに応えていく。
―注力商品は。
オールシーズンタイヤでは「SYNCHRO WEATHER」、スタッドレスタイヤでは「WINTER MAXX 03」とSUV向けの「WINTER MAXX SJ8+」の三つとなる。
「SYNCHRO WEATHER」に対する販売店や消費者の皆さまのご理解はこの1年で大きく進み、消費者だけでなく販売店の皆さまにもメリットがある商品とご認識いただきつつある。
「夏冬で履き替える必要がなく交換作業やタイヤ保管の手間がかからない」や「冬のドライブで突然の路面環境の変化にも対応可能」であることは実際にタイヤを使用する消費者にとってのメリットだ。
販売店の皆さまにとっても「タイヤ交換時期を分散しピットを通年で効率的に使用することで、タイヤ販売の機会損失を防ぐことができる」「暖冬の影響に左右されず、安定的にタイヤ販売がおこなえる」という点で評価をいただいている。
一方で、降雪エリアでメイン商品となるのがスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 03」とSUV向けのスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX SJ8+」だ。「WINTER MAXX 03」はWINTER MAXXシリーズ累計で、発売からこれまでに3800万本を販売してきたロングセラー商品となる。氷上ブレーキ性能は前モデルと比べて22%と大幅に向上させており、性能面は「2世代先」を先取りしたものだ(通常、同社では1世代で10%前後の進化が一般的)。
SUV向けの「WINTER MAXX SJ8+」は、SUV車両販売の市場成長率以上に販売本数を伸ばしており、消費者からの支持は強い。
この三つのタイヤを注力商品として、消費者の多様なニーズにお応えしていきたい。
―販売戦略について。
「SYNCHRO WEATHER」は、今冬から新ビジュアルを展開し需要期に入ったら新CMを公開する。「氷上も走行でき、どんな天候でも安心。」「タイヤ交換の手間なく便利。」といった使用メリットを中心に打ち出していく。また、夏冬の交換が不要になることでの経済的なメリットもしっかりと伝えていきたい。
一方、「WINTER MAXX 03」と「WINTER MAXX SJ8+」のスタッドレスタイヤは、カタログや店頭販促ツールのデザインをリニューアルした。氷上性能、雪上性能の高さを強調するデザインに仕上げたので、認知度を向上しさらなる拡販に努めていきたい。
―冬商戦に向けての意気込みや販売店様へのメッセージを。
次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER」は消費者のみならず販売店の皆さまにもメリットの大きい商品で、引き続き販売店の皆さまと一緒に冬商戦を盛り上げていきたい。
スタッドレスタイヤは、「WINTER MAXX 03」がすでに多くの実績があり、消費者からの信頼感も高い。
ダンロップタイヤは24年1月に販売会社11社と住友ゴムのマーケティング部門を統合して誕生した。統合によりコミュニケーション機能や業務効率性は向上しており、こうしたシナジーも冬商戦に活かしていきたい。