機工協会員の令和6年売上は31年ぶり1400億円超  タイヤ関連微減も高付加価値品にニーズ

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 日本自動車機械工具協会(機工協)は、都内で令和6年度販売実績を公表した。各商品カテゴリで順調に推移し、売上合計は31年ぶりとなる1400億円超を記録した。タイヤ関連機器を含むブレーキ・ホイールサービス機器は対前年度比で微減となったが、高付加価値の機器へのニーズが強まっている。

 

 機工協会員各社の令和6年度売上合計は1405億900万円で、対前年度比3.2%増だった。平成元年以降では5番目の売上規模となる。19の商品カテゴリのうち10カテゴリが前年実績を上回り、さらに7カテゴリは過去13年間で最高額を記録した。

 省力化ニーズやコンプライアンス対応のために付加価値の高い機器へのニーズが強かったことや、半導体の供給が安定し商品生産が順調に推移したことなどが増収の背景となった。くわえて、製造コストや人件費の価格転嫁が進んだことも売上を後押しした。

 カテゴリ別の売上をみると「自動車総合診断装置」が大きく伸び、対前年度比で17.7%増となった。検査場向け自動ラインでは高額なマルチ機器の導入や、カーメーカー向け機器では省力化や品質向上に向けた設備が多く導入されている。

 一方、タイヤチェンジャーなどが属する「ブレーキ・ホイールサービス機器」は対前年度比で微減となった。ただホイールアライメントテスタを例にすると、数量・金額ベースでは減少となったものの、1台あたりの価格は7%程度増加。より付加価値の高い機器にニーズが強まっていることが数字からも見える。

浜本雅夫流通委員長
浜本雅夫流通委員長

 自動車機械工具の売上推移をみると、平成27年度以降は、コロナ禍の令和2年度を除いて成長を続けてきた。こういった底堅さは今後もつづくことが見込まれる。浜本雅夫流通委員長=写真上=は「対前年度比3.2%増という数字は、平成24年度以降の直近からみても順当な数字。外部環境をみればクルマの保有台数は微増傾向であり、機械工具への需要も堅調に推移していくのではないだろうか」との見通しを述べた。

斎藤智義副会長
斎藤智義副会長

 同様の認識はほかの幹部も共有する。会見終了後の懇親会で斎藤智義副会長=写真下=は「数年前は千億円ほどだった」と振り返る。そのうえで「来年も飛躍的に伸びるというわけではないだろうが、伸び率などの数字を見ると業界の『底堅さ』を実感していただけるような数字が出てくるのではないか」と語った。

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