日本ミシュラン「プライマシー5」試乗会  プレミアムコンフォート分野に新商品投入  サステナブルモビリティをめざし(前・後編の2回/後編)

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(前編からのつづき)

 乗用車・SUV共用「プライマシー5」

 

日本ミシュラン「プライマシー5」試乗会
日本ミシュラン「プライマシー5」試乗会

 日本ミシュランタイヤが国内市場で展開する消費財の主要ブランドは次の四つ。(1)スポーツ系の「PILOT SPORT(パイロット スポーツ)」、(2)コンフォート系の「PRIMACY」、(3)スタンダードタイヤ「ENERGY(エナジー)」、(4)さまざまな天候・路面状況に対応する「CROSSCLIMATE(クロスクライメイト)」。

 「PRIMACY」シリーズについて、24年までは乗用車向け「PRIMACY4+(フォー プラス)」、SUV向け「PRIMACY SUV+」、低燃費タイヤ「e(イー)・PRIMACY」の3商品を展開していた。

 今回上市した「PRIMACY 5」は、「PRIMACY4+」と「PRIMACY SUV+」の後継品。乗用車とSUV、それぞれ専用設計としていたものを統合し一本化した。これにより、25年から同シリーズは「PRIMACY 5」と「e・PRIMACY」のラインアップとなった。

神取孝司ブランド戦略マネージャー
神取孝司ブランド戦略マネージャー

 その背景について、神取孝司ブランド戦略マネージャー(乗用車・商用車タイヤ事業部マーケティング部)=写真=は「『PRIMACY』シリーズがターゲットとする消費者のニーズと、SUVオーナーのニーズがほぼ合致している」と指摘し、次のように解説する。

 「当社の調査によると、SUVオーナーはタイヤ購入に際して乗り心地、低燃費性能、静粛性、濡れた路面でのグリップを重視する傾向が強い。一方、「『PRIMACY 5』の開発コンセプトは濡れた路面での安心感が長く続く、環境にも配慮したプレミアムコンフォートタイヤである」

 「新商品はJATMAウェットラベリングで最高グレード『a』を取得。耐摩耗性能は前モデル『PRIMACY4+』対比約30%向上、摩耗した状態でのウェットブレーキング性能2.4%向上。静粛性能は前モデルと同等。転がり抵抗は前モデル対比約7%向上し、ラベリング『AA』取得サイズが増加した」

 「ミシュランはサイズごとにSUVの高荷重に必要な設計を行うことができる。それまでは『PRIMACY4+』と『PRIMACY SUV+』で重複するサイズ設定があったため、販売店もユーザーもどちらを選べば良いか、わかりにくい状況だった。それを統合し商品ラインアップを簡素化することで、商品選択がしやすくなった」

 一本化した後継商品を市場展開することで、製造・物流をはじめLCAのさまざまな局面で環境負荷の低減を図った。神取マネージャーは「新商品は安全性や快適性、環境性、そのすべてでハイレベルに仕上がった。ミシュランの考えかたが販売店やユーザーに行き渡りつつある」と、好調なスタートに確かな手応えを感じたようだ。

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