
ENEOSホールディングスは12日、25年3月期決算を開示した。売上高は前年度比0.2%減の12兆3225億円、営業利益は72.2%減の1061億円、当期利益は22%減の2261億円の減収減益となった。在庫影響を除き非継続事業を含む営業利益は4293億円。
エラストマーなどを含む機能材セグメントは好調に推移した。売上高は前年同期比13.1%増の3470億円、営業利益は105億円増の177億円となった。SSBRのグローバルでの拡販が進み販売数量が過去最高を記録したことや、円安やブタジエン市況の上昇が後押しした。
25年度の通期見通しは売上高11兆7千億円、営業利益3600億円とした。機能材セグメントでは、引き続きエラストマーを中心に拡販を計画するが、インフレによる経費増や円高進行、ブタジエン市況下落で24年度実績から47億円の減益を見込む。
同日には25年度から27年度までの第4次中期経営計画を発表。効率化の推進による既存事業の収益最大化を狙う「筋肉質な経営体質への転換」と「ポートフォリオ再編」を進めていく。そのうえで最終年度となる27年度(28年3月期)の当期利益3200億円、営業利益5千億円(いずれも在庫影響を除く)、ROE10%以上をめざす。
機能材セグメントではSSBRのシェア拡大や電池用バインダーの受注拡大を図る。SSBRの戦略について宮田知秀社長は「稼働率の良くなかった工場の改善や米国市場の開拓を進めていきたい」とした。