
日本自動車工業会は24年度に実施した普通トラック、小型・軽トラック2分野の市場動向調査の結果をまとめた。15日にはオンラインでメディア向けの概要説明会を開催した。
この調査はトラックユーザーの保有・購入・使用実態の変化を時系列的に把握し、今後の市場動向を探ることを目的に定期的に行っている。また、今回は「2024年問題」に関する動向や次世代環境車に対する意識などのトピックについて調査を行った。
普通トラック、小型・軽トラックともに、コロナ禍以降、経営環境が良くなっていると回答した事業者は少なく、コロナ禍以前の水準に回復しているとはいえない状況がつづく。
また、ドライバー不足や「2024年問題」、燃料費の高騰などの影響によりトラックの保有台数は減少傾向を示し、増車の意向は低い。とくに「2024年問題」への対応が喫緊の課題で、効率的な配車やドライバーの労働環境の改善が急務であることが回答から浮き彫りにされた。
次世代環境車に対する意識については、普通トラックではエコドライブ・低燃費車両へのニーズがみられる。ただカーボンニュートラル対応となるハイブリッド車の導入意向は運輸業の中型トラックで2割弱と、前回調査と変わらない。
小型・軽トラックではコスト改善施策としてハイブリッド車の導入意向が高い。ラストワンマイルを意識した超小型モビリティ(EV)に対しては7割が導入を検討していない。また電気自動車に対しては「いくら補助金があっても(導入を)検討しない」と回答する事業者が多い。積載量が減ることへの懸念が回答に表れたようだ。
自工会は今回の調査から、「事業所がコロナ禍で受けた経営的ダメージを考慮する必要がある」「今回の調査のみで『2024年問題』を判断することは困難。次回の調査を踏まえ、対応動向を引き続き注視する必要がある」とした。