
24年7月1日付で日本グッドイヤーの代表取締役社長に就任したRamy Elsabee(ラミー・エルサビー)氏=写真=。現職に就任し3四半期間が過ぎた。このほど、国内のタイヤ・ゴム業界専門紙のインタビューに初めて登場。25年事業への展望と抱負を語った。
日本グッドイヤーの経営トップ人事は、15年12月8日に前任の金原雄次郎氏が着任して以来、約8年7カ月ぶり。
エルサビー社長は、米国オハイオ州アクロンのグッドイヤー本社に入社。幅広い分野でマネージメントの経験を積んだ。20年1月から24年4月まで、フィンランドに本社を置くKONE Corporationへ。そこでグローバルメジャープロジェクト担当の副社長を務めたあと、グッドイヤーに戻り現職に就いた。
日本グッドイヤーの事業の主力である国内リプレイスタイヤ事業の展望と、今後にかける〈思い〉についてはインタビュー記事の本編に詳しい。
もうひとつの成長事業として期待をかける新車装着タイヤビジネスについて、エルサビー社長は次のように語る。「日本グッドイヤーにとって、新車装着タイヤのビジネスはゼロからのスタートだった。それが着実に成長を遂げている。24年度にも日本メーカーの有力車種に新車承認を受け納入した実績がある」とし、これまでの取り組みを高く評価する。
今後も「グッドイヤーグループは米欧の市場でプレミアムカーをはじめとする多くの新車装着タイヤビジネスを行ってきている。この強みを活かし、日本市場でもさらにビジネスを強化していく」とし、さらに積極的なビジネスを展開する姿勢を示した。
モータースポーツ活動については「モータースポーツはグッドイヤーがワールドワイドで重視している活動だ。グッドイヤーはモータースポーツとともに成長してきたという歴史がある。言い換えると、モータースポーツ活動はグッドイヤーのDNAでもある」と話す。
エルサビー社長は「グローバルでは、25年度はFIA世界耐久選手権(WEC)のGTカークラスに出場する全チームにタイヤを供給しレースをサポートする。国内ではトヨタGAZOOレーシングのヤリスカップでワンメイクのレース用タイヤを供給する予定だ」と続けた。
独自で取り組むCSR(社会貢献活動)の計画について、エルサビー社長は「CSRもモータースポーツと同様、グッドイヤーにとってグローバルアイデンティティ(自己同一性/存在証明)だ。グローバルでGoodyear Better Future(グッドイヤー・ベター・フューチャー)をCSRスローガンに掲げ、持続的に地域貢献活動に取り組んでいる」と紹介する。
そのうえで「日本には世界自然遺産が五つあるが、その五つすべてで、地方自治体や当地で環境保全活動に取り組むNPO団体が使う車両向けにタイヤを提供している。それにより環境保全活動に対するサポートを行っている。当社は全国各地にタイヤ販売ネットワークを持っており事業活動の拠点がある。各地には独自の地域活動があるが、それらに積極的に関わることで地域密着型のCSRを進めていく」との方針を明らかにした。