トーヨータイヤの清水社長が会見「来年、新たな世界戦略の絵を」

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 TOYO TIRE(トーヨータイヤ)の清水隆史社長は12月9日に会見を行い、2021年の取り組みを振り返るとともに、2022年を「自ら視界を開き、躍動に臨む年にする」と展望を話した。

会見する清水社長
会見する清水社長

 今年は新型コロナウイルスの影響が続いたものの、北米市場では得意のSUV・ピックアップトラック用の大型タイヤを優先的に生産し、質の高い利益構成につなげた。また、半導体不足によって新車生産が落ち込む中、タイヤ生産を新車用から市販用にシフトするなど機敏な対応も奏功したという。

 同社は今年、5カ年の中期経営計画をスタートし、その柱の一つに収益性が高い「重点商品」の販売構成比率を55%以上に高めることを掲げている。清水社長は「米国は55%を超えており、他の地域でも50%近い水準になっている」と進捗状況を話し、「中計初年度の今年は一定の成果が掴めた」と評価した。

 2022年は同社にとって8年ぶりとなる新工場がセルビアで稼働する。半導体不足によって一部設備の導入が遅れるため、稼働は当初の4月から7月へ変更するが、「縮小均衡の模索が続くタイヤ業界の中、新たな生産拠点を稼働できることは他社にはないジャンプ台となる」とした上で、「新工場の役割は北米市場をバックアップし、仙台工場より30%高いコスト競争力を実現することとなる」と強調。また、これまで欧州向けの輸出を担ってきた宮城県の仙台工場は生産に余裕が出てくることから抜本的なリノベーションに着手する計画を明らかにした。

 サステナビリティへの取り組みも推進する。4月に立ち上げた委員会で目標と課題への対応策の議論を行っており、来年3月末までに具体的な考え方を公表する見通し。

 清水社長は「2022年は新しい世界戦略の絵を描いていくことができるフェーズに入る」と、一層の事業拡大への意欲を示した。


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