値上げ、事業拡大、法令遵守の取り組み――2017年を振り返る
国内外で様々な出来事があった2017年も残すところ僅か。今年は海外では景気の回復が見られた一方、国内に目を向けると、日本を代表するような企業で不祥事が相次いで発覚したほか、多くの産業で人手不足に拍車がかかるなど不安定な要素は増している。こうした状況下、タイヤ業界にとっては、どのような1年だったのか――。 ■値上げに揺れた国内市販タイヤ市場 日本自動車タイヤ協会の統計によると、2017年の市販用…
国内外で様々な出来事があった2017年も残すところ僅か。今年は海外では景気の回復が見られた一方、国内に目を向けると、日本を代表するような企業で不祥事が相次いで発覚したほか、多くの産業で人手不足に拍車がかかるなど不安定な要素は増している。こうした状況下、タイヤ業界にとっては、どのような1年だったのか――。 ■値上げに揺れた国内市販タイヤ市場 日本自動車タイヤ協会の統計によると、2017年の市販用…
タイヤを生産する過程で必ず必要となる加硫。その工程で使用されるのが、様々な模様が刻まれた金型(モールド)だ。タイヤの性能に大きな影響を与えるこの部材にはモノづくりのあらゆる技術が詰め込まれている。横浜ゴムグループでタイヤモールドの生産を手がけるヨコハマモールド(茨城県小美玉市)は、業界トップクラスの高い技術で高品質なタイヤ生産を支え、さらに培ったノウハウを発信する重要な役割を担う。 グループのコ…
「東京モーターショー」で横浜ゴムは、最新の軽量設計技術を採用したコンセプトタイヤ「BluEarth-air EF21」(ブルーアース・エアー・イーエフ・ニーイチ)を展示した。開発サイズは205/55R16 91Vの1サイズ。国内で年内に限定発売を予定している。 同商品は、軽量で薄くかつ高剛性な構造を実現し、一般的な質量の「ADVAN dB V551」(アドバン・デシベル・ブイゴーゴーイチ)と比…
「東京モーターショー2017」のプレスデータ2日目の10月26日、ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、日本グッドイヤーの4社がプレスブリーフィングを開催し、将来に向けたイノベーションへの取り組みや最新技術、事業戦略を発表した。 ブリヂストン 新プロジェクトでイノベーション加速 高木光治常務執行役員、田村康之技術戦略本部長らがトークショーを行い、将来に向けたイノベーションを加速するためのR&D…
横浜ゴムは11月1日に乗用車用プレミアムコンフォートタイヤの新商品「ADVAN dB V552」(アドバン・デシベル・ブイゴーゴーニ)を発売する。新商品のコンセプトは「車内の空気感を変える、かつてない静粛性」。“ヨコハマ史上最高の静粛性”を実現するため、パターンデザインやプロファイル、内部構造、部材レベルの設計まで全てをゼロから見直して開発した。近年、プレミアムカー以外でもニーズが高まっている“…
横浜ゴムは10月13日、都内のホテルで創立100周年を記念した「感謝のつどい」を開催し、来賓や関係者など約800名が参加した。 式典で挨拶に立った南雲忠信会長は、「創立当時はわずか数名でのスタートであったが、技術を身につけ、徐々に事業を拡大し、今では約2万5000人のグローバル企業に成長することができた」と述べた。 また「当社の歴史は、関東大震災や戦争の空襲による工場の被災、バブル崩壊やリー…
横浜ゴムが2017年に新モデルを相次いで市場投入している。国内では8月にSUV・ピックアップトラック向けマッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR(ジオランダー)M/T G003」、9月には乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD(アイスガード)6」と大型商品を立て続けに上市。また11月にはフラッグシップブランド「ADVAN」(アドバン)からプレミアムコンフォートタイヤ「ADVAN dB V5…
タイヤメーカーや販売会社が、トラック・バス用タイヤの整備作業のレベルアップに向けた取り組みを強化している。活動を継続することで全体の技能が向上し、標準化が進められるなど着実な成果が表れてきているほか、安全に対する技術力や専門性が顧客から評価されるなど、その重要性は今後一層高まっていきそうだ。9月10日にブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴムの3社がそれぞれ開催した整備作業や接客スキルの全国大会を取…
横浜ゴムはSUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR」(ジオランダー)の新商品「ジオランダーM/T G003」を8月より発売する。新商品はオフロードユーザー向けのマッドテレーンタイヤで、泥道や岩場、ダート、砂利などあらゆるオフロード路面での性能を向上させている。5月下旬に愛知県の「さなげアドベンチャーフィールド」で開催された試乗会でその性能を確かめた。 SUVの需要拡大に応…
横浜ゴムは5月3日に静岡県の富士スピードウェイで会見を開き、モータースポーツ活動を強化することにより、欧州をはじめとしたグローバルでブランド力を高めていく方針を改めて打ち出した。同社はモータースポーツ事業の専門子会社、ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル株式会社を6月末に解散し、横浜ゴムの組織内にモータースポーツ推進室を新設すると発表している。 会見に出席した山石昌孝社長は、「当社の…
横浜ゴムは2017年から北海道旭川市にあるテストコース「北海道タイヤテストセンター」(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)で、夏用タイヤの実車試験をスタートさせる。冬季以外の期間に新車用タイヤや海外向けのオールシーズンタイヤの開発に活用することで商品開発の強化に繋げる。 同社の夏用タイヤのテストは、国内では茨城県にある「D-PARC」(ディー・パーク)で行ってき…
横浜ゴムが昨年7月に約1356億円で買収した蘭ATG(アライアンス・タイヤ・グループ)。同社の会長を務める小林達氏(横浜ゴム副社長)は、「横浜ゴムグループの将来をかけた事業」と位置づけ、統合効果を最大限発揮させるべく土台作りに取り組んできた。今年3月以降、野地彦旬社長にバトンを渡す予定で、両社の得意分野を融合させつつ一層の事業拡大を図る。さらに今回の買収は横浜ゴムのこれからの企業運営にとっても大…
横浜ゴムは1月31日に東京・港区の本社で会見を開き、野地彦旬社長(58歳)が取締役副会長に就任し、後任として山石昌孝取締役常務執行役員(54歳)が代表取締役社長に就任すると発表した。就任予定日は3月30日。南雲忠信代表取締役会長(69歳)は留任する。野地社長は昨年買収した蘭アライアンス・タイヤ・グループ(ATG)の会長を兼任する。 山石氏はこれまで秘書室長やヨコハマヨーロッパ取締役社長などを歴…
横浜ゴムはグローバルでブランド力を強化するとともに、将来的にアジア地域にもタイヤの設計部門を設けることを検討し、技術力のさらなる底上げを図る。野地彦旬社長は「市場のポジショニングを上げて、いつかは世界のトップ5になることを目指したい」と将来への展望を示している。 チェルシー効果、欧州でビジネス拡大 同社は昨年、英サッカープレミアリーグの「チェルシーFC」とスポンサー契約を締結し、ユニフォームへ…