有限会社ミズノタイヤ 枝葉を育てるような事業展開

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カテゴリー: ディーラー, レポート

 埼玉県狭山市に所在する有限会社ミズノタイヤでは、ホイール修理や塗装などを専門に行うミズノリペアショップを展開している。

 大澤公義社長は10年ほど前にタイヤ販売を幹としながら枝葉になる事業としてさまざまな技術を導入した。そのひとつがホイールの塗装加工だ。同社では熟練の腕による複雑な塗装ほか、顧客の希望に合わせたパウダー塗装やメッキ塗装、さらに柄物まで様々な加工が可能だ。同社がクルマパーツのカスタムのために導入したこの技術は、違う分野での受注にも繋がっているという。

高度なメッキ技術で他業種から受注拡大も

メッキ塗装のサンプル
メッキ塗装のサンプル

 大澤社長は「ホイール修理と同時に塗装や加工がしたいというお客さまに、新しい提案をすることから始まった」と話す。

 各種加工の中で同社が特に力を入れているのが、「METALIZE FINISHING SYSTEM」(メタライズ・フィニッシング・システム)というスプレー式のメッキ塗装だ。

 メッキ塗装は無電解メッキとも呼ばれる。化学薬品の作用を利用し、銀液と還元剤を同時にスプレーして、塗装面に銀被膜を形成する方法だ。同社では独自技術によって、この銀鏡塗装膜に高い耐久性を持たせた。さらに塗装面に銀とより密着するコート材を塗布し、仕上げにトップコートをして三層積層構造を構築。これによって、一般的なメッキ塗装よりも耐久性を大きく向上している。

 「メッキ塗装は引っ掻きに弱く、剥げやすいと言われている。しかし、当社では銀との密着度を上げるコート材によって銀鏡塗装膜が浮きにくくなっている。さらにトップコートを掛け、より丈夫なメッキ塗装に仕上げている」

 また電解メッキとは異なり、通電を必要とせず有害物質を一切使用しない。そのため基本的に塗装が可能なものであれば、材質を問わず加工できるのが特徴だ。さらに電解メッキでは難しい大きさでも加工ができる。

メッキ塗装を施したホイール
同社のメッキ塗装ならレインボーカラーに塗り分けることも可能

 「ホイールだけでなく、車体パーツの一部だけを取り外さずに塗装することも可能。加熱処理や電解処理が難しいパーツでも鏡面加工ができる上に、同じパーツを複数の色で塗り分けることもこの塗装方法の特徴」

 また、メッキ塗装だけでなく、水圧転写システム「TOP ART SYSTEM」(トップ・アート・システム)による加工も行っている。これは下地加工を施した対象に、特殊なフィルムに印刷した模様を水圧で転写する。入り組んだ複雑な曲面にも柔軟に対応でき、基本的に水に濡れても問題がなければ素材を問わない。さらにトップコートで保護するため、ホイールを加工しても塗装面の耐久性に問題はないという。

 「ホイールやコンパネ、ハンドルから小さなものはエンブレムまで何でもできる。こちらで用意している木目調や大理石調などのほか、お客さまが希望する写真を転写することも可能。過去にはヘルメットへの加工もしている」

 この2つの塗装加工は、現在は車両とは大きく異なる分野からの依頼も増えている。スマートフォン用ケースから大型の店頭ディスプレイまで、その範囲も大きさもさまざまだ。

 「ホイールの形は複雑なので、細かな部分への丁寧な加工が必要になる。結果的にその技術が他の分野で必要とされる水準を上回っていた」

店舗外観
塗装後のホイールが並ぶタイヤ交換専門のアンテナショップでは、同時に2台の交換が可能

 守秘義務の関係で具体的な例は挙げられないとしながらも「日常よく目にしている場所やニュースで話題になったものの中に、当社の加工品が活用されている」と話す。

 同社では社員からのアイデアも積極的に吸収している。「収益に繋がらない場合は中止するが、最初から否定はしない」

 大澤社長はその理由を「給料をたくさん払ってあげたい。そのために収益を上げるなら、自分が提案してやってみたことがフィードバックされる方が、さらなるモチベーション向上に繋がる」と説明する。

 そのための人材教育にも余念がない。現在はアンテナショップとして社長自ら運営するタイヤ交換専門店を将来的には社内の人間に任せて、さらなる事業を展開する予定だ。

 「思わぬものが意外な場所で実を結ぶ。それが楽しい」――笑顔で語る大澤社長は、これからもさまざまな挑戦を続けていく。


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