小野谷機工、ホイールバランサーの超偏平対応機、旗艦機を上市

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カテゴリー: レポート, 整備機器

 時代とともにクルマやタイヤは変化し続け、それに合わせて整備のあり方も変わっていく。しかしその現場で、安全と軽労化の両立をいかに図るかは不変のテーマだ。店のピットで誰もが楽に効率的に、安全に作業でき、高い品質の整備を提供する――タイヤ整備機器の唯一の国産メーカーである小野谷機工(福井県越前市、三村健二社長)はそれに取り組み続けている

 今年、創業50周年を迎えた同社。それを機として、多数の戦略的商品を新たに市場に投入した。「節目の年に、お客様のニーズに合った新しい価値を生み出す商品をラインアップした。先般亡くなった、三村社主のモノづくりにかけた“思い”を次代に繋げられるのではないか」、宇田公郎専務はこのように言う。

「DYNAMAX TBm-250 ルーチェ」と杉本氏
「DYNAMAX TBm-250 ルーチェ」と杉本氏

 今回のこの欄では、商品開発本部機器商品開発部の杉本和則氏にホイールバランサーの新製品について解説してもらった。

 このほど上市した新商品は、①超偏平ワイドシングルタイヤ対応のTB・LT・PC用ホイールバランサー「DYNAMAX(ダイナマックス)TBm-250 Luce(ルーチェ)」②PC用のフラッグシップモデル「ダイナマックス Ks-MAX(ケイズ・マックス) Luce」③「ダイナマックス Ks-8ST/8AR」。

 「TBm-250」は適用リム径10~30インチと、これ1台でTBからLT、PCまで幅広いレンジに対応する。しかも最大測定重量250kgで、複輪を単輪化する超偏平ワイドシングルタイヤにも対応が可能だ。

 実演デモを行う杉本さんは「一体型の低床式リフトを内蔵しているので、大きくて重い超偏平ワイドシングルタイヤであっても、楽に正確にセッティングすることができます」と解説する。

「DYNAMAX Ks-マックス・ルーチェ」
「DYNAMAX Ks-マックス・ルーチェ」

 リム径、ディスタンスのデータは自動入力システム。またアルミオートシステムにより、スケールをリム内側に当てることで修正面の幅や内側のリム径も自動で入力される。

 タイヤガードを下ろす。90rpm(TBモード)という、従来機に比べ半分ほどの低速回転測定を採用したのも新製品の特徴。測定時間を短縮し、同時に安全性を一段と向上させた。またTBバランサーとしては初めて、LED照明装置を採用。視認性を高めることで手元での作業をしやすくした。

 TB10穴ホイール(ISO)用コーンとTB8穴ホイール(JIS/ISO)用コーンは標準で、LT5/6穴ホイール(JIS/ISO)用とPC用各種コーンはオプションで用意した。

 「Ks-MAX Luce」は、最高峰を目指して開発した、同社のハイエンドモデル。杉本さんは「誰が操作しても同じ測定結果を得られ、誰が作業しても同じ修正結果が出ます」とし、作業品質の向上と作業の均質性向上を図った。

 それを実現するために、レーザーセンサーやリム幅ソナー測定による自動入力、位相位置へのレーザーポインター照射など、最新のセンシング技術を数多く採用した。

クイックナット式「DYNAMAX Ks-8ST」(左)エアーロック式「DYNAMAX Ks-8AR」(右)
クイックナット式「DYNAMAX Ks-8ST」(左)エアーロック式「DYNAMAX Ks-8AR」(右)

 またエアーロックシステムを採用することで、セッティングに際しての取り付け誤差を防止。自動開閉式タイヤガード、低速回転測定、LED照明装置を採用し、作業効率と安全性を高めている。

 作業に際しては大型21.5インチの液晶パネルでのタッチ式を採用。面倒な操作は一切不要だ。オートポジションサーチシステム(WAS)機能の搭載によりウェイトの分割貼付に対応する。

 「Ks-8ST」はワンタッチクイックナット、「Ks-8AR」はエアーロックと、取り付け方式によって異なるミドル~スタンダード機種。低速回転やLED照明装置、タイヤガードをはじめ、WAS機能など最新の機能を標準で装備。LEDライン装置やウェイトヒーターなど、オプション品を加えることで、店独自の仕様で使いやすくカスタマイズが可能だ。

 なお小野谷機工では、バランス作業に際して、専用タイヤリフトの使用を推奨している。作業時の軽労化や腰痛防止、取り付け誤差の防止など作業品質の観点でバランサー用リフトは非常に有用だ。同社ではバランサー用リフトとして「L-1000C」「L-1200」を用意している。


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