オートバックスセブン――外国人材を活かす 技能実習生受け入れから15年

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カテゴリー: レポート, 現地

 埼玉県内でオートバックスのFC店舗を複数展開しているユーエイ。2011年から技能実習生の受け入れを始め、現在も合計18名のフィリピン人が勤務している。川尻茂美管理部長は「当初は接し方などに課題があったが、仕事以外でもケアをしながらギャップを埋め、今は外国人と一緒に働くことが当たり前になっている」と話す。昨年9月に「特定技能1号」の自動車整備分野で初の許可を受けたグレゴリオ・ミゲルさんは今年から技能実習生の指導役も担うようになった。川尻部長は「日本人が教えるのとは伝わり方が違う」と語り、「今後は実習生全体の底上げを図っていきたい」と意欲を示す。「スーパーオートバックス KUKI」で日本に来て間もなく4年となるミゲルさんと、昨年から技能実習生として働くバガットナン・ビンセントさんに話を聞いた。

「毎日学ぶことが楽しい」リーダーとしての役割も

 ――お二人のプロフィールと業務内容を教えてください。

 ミゲルさん「来日して約4年になります。普段は整備士として車検整備などを行っています」
 ビンセントさん「日本に来たのは1年ほど前です。店舗ではオイルやタイヤの交換業務を行っています」

 ――自動車整備に興味を持ち、日本で働きたいと考えた理由は。

 ミゲルさん「ビンテージカーなど日本車が好きで以前から日本に興味がありました。『こういうプログラムがある』と紹介されて申し込みました」
 ビンセントさん「スポーツカーが好きだったので興味を持ちました。日本には家族をサポートするために来ています」

 ――実際に働いてみてからの感想を教えてください。

 ミゲルさん「日本はハイブリッド車が多いなど、走行している車がフィリピンとは異なります。フィリピンでも整備の経験が少しありましたが、日本に来てから違いに驚きました。
 仕事を始めてから苦労したことは、最初は日本語が完全には分らなかったことです。日常会話は勉強していましたが、実際の業務では特殊な専門用語がよく出てきますので。
 分からない言葉があれば周りに教えてもらいました。学ぶことが好きですので、整備に関することでも日本語でも新しいことを知ることができるのは嬉しいです。今でもそういう気持ちですし、毎日学ぶべきことが多くあることが一番楽しいですね」
 ビンセントさん「大変だったのは日本語です。勉強もどこから始めたらいいのか分かりませんでしたが、今は仕事が終わった後に毎日2時間くらい漢字と文法を勉強しています。
 仕事を始めた時は、整備のことなども全く分からなかったのですが、少しずつオイルやタイヤの交換などができるようになり、とても達成感を感じています。
 また、仕事をする時は、リフターの正しい位置まで誘導するなど、細かいことに気を付けています」

 ――ミゲルさんは特定技能1号取得者として、リーダー的な役割も担っています。

 ミゲルさん「今は他の店舗に行き、日本語のレベルも含めてどこまで理解しているかなど状況を見ています。どんな対策をするべきか、どのように教えたら良いのかを検討しています」

 ――今後の目標は。

 ミゲルさん「今、日本語能力試験のN1を目指しています。あわせて自動車整備士二級を取得したいと考えています。また、可能であれば将来も日本で働き、自動車検査員の資格も取得したいです」
 ビンセントさん「日本語能力試験にチャレンジして、日本語のレベルを上げたいです。仕事も完璧にできるようになりたいと思っています」


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