4つの“続く”を追求――住友ゴムのツーリングタイヤ「SPORTMAX ROADSMART Ⅳ」

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カテゴリー: レポート, 試乗

 住友ゴム工業は3月から新発売した二輪車用タイヤの新商品「SPORTMAX ROADSMART Ⅳ」の発表会を昨年12月に開催した。新商品は大型プレミアムモデルをメインターゲットに、「興奮が、続く」「気持ちが、続く」「性能が、続く」「走りが、続く」という4つの「続く性能」により、ツーリングシーンに求められる様々なニーズに対応した。

 宮崎県内のホテルで開いた商品発表会で住友ゴムの増田栄一執行役員は、「『ロードスマートⅣ』は当社のツーリングタイヤ史上最高のハンドリングを実現した」と述べた。その上で「タイヤに対する要求性能の高まり、多様なニーズが求められる中、理想を追求した新たなツーリングタイヤだ」と自信を示した。

 今回の新商品は従来品「ロードスマートⅢ」から5年ぶりのモデルチェンジとなる。開発にあたっては、技術部門や営業チームが一体となり、「今までの枠にとらわれないツーリングタイヤを目標に掲げた」(タイヤ技術本部第二技術部の大谷匡史主査)という。

(左から)大谷匡史主査、原憲悟部長、増田栄一執行役員、小泉淳一名誉教授、八代俊二さん

 「ロードスマートⅣ」のコンセプトは「続く限り、力走。」――ウェットやライフといったタイヤに求められる基本性能の向上だけでなく、“走る悦び”をライダーに提供するため、「4つの持続性」を盛り込んだ。

 1つ目は軽快なハンドリングによる「興奮が、続く」。また、疲労によって集中力が切れない「気持ちが、続く」。さらに、急な雨でもツーリングを止めないための「走りが、続く」。そして最後は摩耗を抑制して高い性能を長く味わうための「性能が、続く」。大谷氏は「我々の理想を具現化するために多くの技術を投入した。4つの『続く性能』によって、どんなお客様が乗っても違いが体感できる商品に仕上がった」と手応えを語る。

 実際に「ロードスマートⅣ」を試乗した元WGPライダーの八代俊二さんも「走り始めてすぐに良いタイヤだと分かった」と太鼓判を押す。特にグリップ力について「ゴムの吸収力があるため、路面の荒れている部分を走っていても滑らかに感じる。グリップの良さが安心感につながり、ストレスが少ない」と高く評価している。

「SPORTMAX ROADSMART Ⅳ」
「SPORTMAX ROADSMART Ⅳ」

 この「ストレスの少なさ」は「ロードスマートⅣ」の大きな特徴だ。発表会では疲労のメカニズムなどを研究している横浜国立大学の小泉淳一名誉教授が登壇。「従来品も疲労低減が追求されていたが、新商品はそれが更に進化している点に驚いた」と試験に立ち会った際の印象を話す。

 新商品がターゲットにしている大型バイクは趣味での利用、個人の楽しみで使用されるケースが少なくない。一般的にはこうしたシーンに対して“走る悦び”“快適な走行”をイメージするが、実際のツーリングは楽しいことばかりではない。急な天候変化に見舞われることもあれば、疲労を感じた状態で長時間走り続けなければならない場合もある。そういった状況でも運転を中断することなく、楽しみながら安心して快適な走りを継続することができれば、真の“ファン・トゥ・ライド”にまた一歩近付くことができるだろう。

疲れにくいを極めると軽快に

 新商品の4つの持続性の中で、特にライダーから支持を集めそうなポイントは「気持ちが、続く」「興奮が、続く」の2点だという。例えば、路面の段差による突き上げを緩和しつつ、快適なハンドリングとレーンチェンジを実現するようなイメージだ。タイヤ技術本部第二技術部の原憲悟部長は「疲れにくさを極めていくと結果として軽快になる。年齢が高い人は楽な運転を、若い方は軽快さを好むが、今回はそれを両立させることができた」と話す。

 新商品ではカーカスラインのRを大きくしたプロファイルを採用することで、タイヤ全体が上下方向にたわみ、ギャップの吸収性を向上。継ぎ目や段差での突き上げを緩和して乗り心地を改善した。また、新しいプロファイルを採用して独自のチューニングを施したことにより、フロントのロール応答性、旋回力を高めて軽快なハンドリングを実現した。

 さらに、同社の四輪車用タイヤで活用が進んでいる性能持続技術や低燃費技術などと同様のコンセプトも採用されているという。


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