有限会社ラウダ「時代の変化に柔軟であること」

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カテゴリー: ディーラー, レポート

 東京、江東区白河に店を構える有限会社ラウダ(ミスタータイヤマン白河店)。マンションの1階にピット1台分の店舗を持つ同社の歴史は、まさに昭和の激動とともにあった。激変を繰り返す下町の客層をどう乗り越えてきたのか。時流に柔軟な考えと、人情を大切にしながら地域に根を張る同社の姿勢を、田中丈司社長にうかがった。

下町ならではの義理と人情

 同社の創業は昭和22年4月。戦後間もなく、社長の父が同地に開業した。

ラウダ店舗
有限会社ラウダ(ミスタータイヤマン白河店)

 「もともとはこのマンションの敷地80坪すべてが店舗だった」という同社。木場が近いという土地柄、開業当時は顧客の大半が輸送用のトラックや業務用の車両で、扱う商品も生産財が中心だった。

 しかし昭和44年、木場の機能移転に伴い、客層が一般車両に大きく変わった。折しも高度経済成長期。車の保有台数が増える中、56年にはグランドスラムの契約店として総ガラス張りの店舗をオープンした。

 そんな大規模な店舗をなぜここまで縮小したのか。その理由を「町と客層、時流の変化に合わせて動いた結果」と話す。時代の変化とともにめまぐるしく変わる事業環境。この客層変化を乗り越えてきたコツを、田中社長は「変わるということに柔軟であること」だと言う。

 「築き上げてきたものを崩すのは迷いが伴う。特に成功体験は手放すのが怖いし、まだ見えていない可能性を考慮して判断することは難しい」。そのため、「もう少し、あと少しと、思い切ったアクセルやブレーキができない。迷っているうちに、いつの間にか信号が黄色になってしまう」

 そんな時に信じるのは「誠実であれば、お客様との信頼は崩れない」ということだ。

 今まで培われてきた顧客との信頼関係は下町の義理人情だという。「きれいな数字に換算できない泥臭い“人対人”の付き合いだから」という田中社長。店を大きく変えるときも、顧客は付いて来てくれた。

田中社長
東京組合が作成した「災害協定看板」を手にする子息の秀樹さんと田中丈司社長(右)

 実際に、30年以上の付き合いになる顧客もいる。こうした顧客が「信頼できる店」として紹介し、次の顧客獲得に繋がる。こうしてできた顧客は、ネットなどから流入する顧客と違い、ほぼ離れることはないという。同店の顧客の約8割が、口コミで紹介されてきた“顔を合わせた付き合い”だ。

 「誠実でありたいから、時には顧客に耳の痛いことも言う」という田中社長はその分、自分が言うことならと聞いてもらえるよう、技術面でも努力は怠らない。

 例えば同じ東京自動車タイヤ商工協同組合の会員同士で技術交流を行い、相互に研修をしている。店舗によって顧客層が異なるため、得意分野も異なる。そこでお互いに技術を学んで高めあうことで、地域全体のサービスの向上にも繋がるという。

 田中社長は同じ地域の他の店を、ライバルだとは思っていない。

 「お互いに苦楽を分け合い、いいものを提供して業界を盛り上げる仲間」だと話す。この義理と人情が作る濃密な地域のネットワークと顧客関係で、これからも時代の波を越えていく。


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