【東京モーターショー2019】横浜ゴム CASEに対応する3つの新技術を初披露

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カテゴリー: レポート, 現地
「Silent Foam 面ファスナー Concept Tire」
「Silent Foam 面ファスナー Concept Tire」

 横浜ゴムは、CASE対応技術として3つの新技術を初披露した。タイヤノイズ低減技術では、「Silent Foam 面ファスナー Concept Tire」を出品。タイヤ内部の共鳴音を低減する吸音材を面ファスナーで固定した。

 これまで、タイヤ内側にはめ込む吸音材付きリングや、吸音材をタイヤ内部に接着する技術があったが、サイズごとのリング設計や接着工程が必要となるなどそれぞれ課題があった。

 新技術では、生タイヤ内部に面ファスナーを取り付けてから加硫する。そのためパンク修理剤の使用が可能になるほか、吸音材の後付け以外にもセンサーの接合なども検討できるという。

セルフ・シール・コンセプト・タイヤ
「Self Seal Concept Tire」

 また、カーシェアリングや自動運転ではパンク時のタイヤ交換が難しく、運行を止めずに一定距離を走行できるニーズが高まっている。これに応えるのが走行持続性技術「Self Seal Concept Tire」だ。タイヤ内部にジェル状のシーリング材を配置することで、釘などが刺さった際に穴を塞ぎ、空気漏れを抑制する。

ウルトラ・ライトウェイト・コンセプト・タイヤ
「Ultra Lightweight Concept Tire」

 最後に、タイヤのIoT化技術として、「YOKOHAMA Intelligent Tire Concept」を紹介した。タイヤに取り付けたセンサーで空気圧や温度、IDに加え、路面の衝撃から摩耗の情報も取得。これらをクラウドにつなげ、車両やドライバーの通信端末、ロードサービス会社、ヨコハマタイヤ系列店などを連携させる。担当者は「無人化やカーシェアが浸透するにつれて、こうした技術が必要になっていく」と重要性を述べた。

 それぞれのCASE対応技術は、生産技術やコンセプトについて検討段階だという。

 環境技術では「Ultra Lightweight Concept Tire」を展示した。約50%の軽量化で、省資源化や車両の燃費向上に貢献する。

 技術面では、スチールベルトの代わりにアラミドベルトを採用。さらに、トレッドゲージやショルダー部を薄く、ビードのスチール本数を減らすことで軽量化を達成した。一方、溝が浅くなって低下するウェット性能を補うため、方向性パターンやコンパウンドを最適化した。剛性を考慮したプロファイルや空気抵抗を低減するフィンなどの技術も投入。担当者は「量産化への課題はまだある」としつつ、技術を順次実用化する展望を示した。

 また、加硫工程を必要とせず、熱で融解し再利用できる「THCラバー」なども紹介した。


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