自動化で高効率を実現 イヤサカのホイールウォッシャー「GP12 SILVERSTONE」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

 イヤサカは、ボタン操作でホイール洗浄を実施できるホイールウォッシャー「GP12 SILVERSTONE(シルバーストン)」を提供している。タイヤ預かりなどのサービス時に並行して行われることがある洗浄作業は、これまで人の手によることがほとんどだった。だが、同製品を導入することで、作業の大幅な効率化や働き方の改善につながったケースも出てきている。

作業の自動化で高効率を実現

 イヤサカは、ホイールアライメントやタイヤチェンジャー、ホイールバランサーをはじめ、様々な自動車整備・車検機器や洗車機器の販売を行う専門商社だ。足廻り機器では、ホイールウォッシャー「GP12 シルバーストン」もラインアップする。

人間工学に基づいた作業性の良いデザインを採用

 同製品は、自動車業界向けに洗浄システムなどを展開するスウェーデンのHEDSON(ヘドソン)社製。ホイール付きのタイヤを装置にセットした後、ボタン操作で洗浄を完了できる。手作業で泥やブレーキダストの汚れ落としを行う場合に比べて、短時間で容易に作業を終えられるのが特徴だ。

 装置には標準付属としてホイールリフトが備わっており、3秒以内で最大60kgまでのタイヤを持ち上げることが可能だ。作業時間を25~155秒から選択すると、装置の中で温水と専用ビーズ「ショットミディアム」が噴射され、ホイールを傷つけることなく汚れだけを弾き飛ばす。最後にエアーで水とビーズを吹き飛ばし、ホイールのすき間や裏側も含めて全体のクリーニングが完了する。

 洗浄水の排水時には、オプションの分離剤を使用することで水と泥を分離でき、市町村ごとのマニュアルに従った処理を実現。また、ビーズはほとんど装置外に排出されない仕組みであるほか、自然に還る素材からできており、環境への配慮も万全だ。

 「GP12 シルバーストン」の対応タイヤ幅は145~360mm、対応タイヤ径は540~860mm(14~33インチ)。

 春うららかな書房(東京都中央区)は、今年初めにホイールウォッシャー「GP12 シルバーストン」を導入した。

ホイールリフトによって、洗浄器へのタイヤのセットを容易に行うことができる

 同社は、コミックレンタル店や複合カフェ、美容室などへの書籍・雑誌の供給を中心に事業展開しているが、5~6年ほど前からは中古タイヤ・ホイールの販売事業も開始。同社の伊勢原物流センター(神奈川県伊勢原市小稲葉458)では、本棚が並ぶ倉庫に、タイヤ・ホイールの作業場と倉庫が隣接する。

 中古タイヤ・ホイールの事業では自社で製品の仕入れを行っており、入荷量はホイールのみの場合も含めて月間7000~8000本ある。このうち中古タイヤは月間約1000本、ホイールはピーク時に月間約2000本を販売。そのため年間を通じて、タイヤ・ホイールの洗浄時間をいかに短縮するかが課題となっていた。

 また、洗浄作業には同社のカンボジア子会社から転勤してきた社員が携わっているが、同国の人件費も高騰しており、作業効率を高める必要があったという。こうした事業環境の中、ヘドソン社製「GP12 シルバーストン」の作業時間の短さや優れた汚れ落ちがポイントとなり、2台導入することが決まった。

洗浄器では専用ビーズの「ショットミディアム」が噴射される

 担当者によると、手作業の洗浄には1本あたり約10分かかり、作業員1人だと1日100本ほどが限界だった。だが、ホイールウォッシャーを活用することで1日約200本も洗浄でき、作業効率は2倍以上になったという。

 これまで、ピーク時には勤務時間内に洗浄作業を終えることが難しいこともあったが、現在は残業なしで作業を完了でき、「働き方改革の一環にもなった」と話す。

 さらに、作業員次第ではあるが、手洗いの場合は大量に水を使用しなければならなかったのに対し、装置を導入することで使用する水量は半分以下になったそうだ。
 トラック・バス用タイヤやSUV向けの大口径タイヤ、低偏平タイヤの中には大きさの問題で「GP12 シルバーストン」では対応できないケースもあるが、同社が取り扱うタイヤの約9割は同製品で作業できるという。

 中古タイヤ・ホイールの販売事業は、入荷量がスタート時の月間約500本から約15倍となり、売上規模も上がり続けている。今後は、ホイールウォッシャーをはじめとする設備投資を通じて、「入荷量9000~1万本を目指す」と意気込みを語っていた。


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