スナップオン・ツールズ タイヤチェンジャー「QUADRIGA」

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カテゴリー: レポート, 整備機器
QUADRIGA
QUADRIGA

 スナップオン・ツールズは、タイヤチェンジャーの新製品「QUADRIGA(クアドリガ)」を発表し、本格販売を開始した。「QUADRIGA」は、フルオートマチックレバーレス作業を実現した、消費財用タイヤチェンジャーのハイエンドモデルだ。この新製品の開発ポイントはどこにあるのだろうか。エクイップメント&ダイアグノスティックグループ・マネージャーの根來裕二氏と同グループ・プロダクトコーディネーターの竹内浩和氏に実演デモを交えつつ、詳しい話を聞いた。

  「QUADRIGA」の設計思想について、根來氏は次のように説明する。「タイヤは低燃費化や軽量化が図られつつ、一方で大径化と低偏平化も見られる。このようにタイヤ技術は高度化と多様化が著しく進んでいる状況から、タイヤの脱着を行う作業現場でもそれへの対応が急速に迫られている。タイヤ交換作業の品質を高いレベルで、しかもそれを一定のレベルに保つことができるという作業品質の部分に照準を合わせた」

 今回、4つのインバーター付き電子制御モーターを採用。最新テクノロジーのレーザースキャニングシステム「Smart Vision」を搭載することで、フルオートマチックモードによるレバーレス作業を実現した。スイッチ類や操作パネルを機器本体の片面側に集中させ配置するなど、人間工学に基づくデザインを採用したのが特徴の一つだ。

フルオート機能で作業品質が向上

リフターの自動計測装置
リフターの自動計測装置

 さっそく、竹内氏が標準装備されたリフターにタイヤを載せる。この時点で、タイヤの直径が自動で計測される。それによって、タイヤを載せるテーブルのポジションが自動的に中心点にセットされる仕組みだ。

 そこでホイールのクランプを行うが、これはペダル操作による。油圧式のセンターロックパワークランプ機構なので、ネジで回し入れる必要がなく、コーンをストンと落とし込むだけ。外すときもワンタッチだ。ホイール穴1カ所に、クランプの突起を差し込む。竹内氏によると、これはズレ防止のためだという。

 タイヤがテーブルにセッティングされた時点で、パネルの操作段階となる。インフォメーションパネルでリム径とタイヤの種類を入力する。リム径は最小12インチから最大30インチまで対応。タイヤの種類は3種。一般的なタイヤはノーマルモード、ランフラットタイヤや大径・超偏平タイヤはスポーツモード、そして大型SUV用タイヤなどはソフトモードで対応する。

  竹内氏は、「モードにより、マウントデマウントツール等の力の入り方やビード部のテンションの掛かり方がタイヤの種類に応じて微調整される」と説明する。それにより、タイヤやホイールに過大に負荷を与えることを防ぐことができるわけだ。

Smart Vision
Smart Vision

 今回の実演デモは、サイド補強型ランフラットタイヤを使用した。従って「spor」モードを選択し、リム径を18インチと入力する。

 「AUTOレバー」を操作すると、さっそくビードブレークの作業が始まる。ツールの動きに合わせて、テーブルが前後方向にスライド。ツールがまずタイヤの下側、次に上側の順でビードブレーク作業を行う。

 この上側のブレーク時に、独自のレーザースキャニングシステム「Smart Vision」が作動する。CCDカメラとレーザーポインターがリムのセンタードロップの形状を認識するのだ。「これにより、レバーレスツールが自動的に最適な位置に移動し、ビードリフティングを行ってくれる」と、竹内氏は言う。その言葉通り、赤い色のレーザーがドロップ位置に照射されている。

 レバーレスツールの位置決めが終わると、一連のタイヤ脱着がスタートする。レバーレスツールがビード部分を持ち上げるが、このときにテーブルが連動して前方向にスライドする。これはテンションの掛かり過ぎを防ぐため。ビード切れを起こさないよう、慎重さが要求される作業だが、そうするあまり、作業スピードが落ちては作業効率が悪化してしまう。それを機械側で制御することで、作業効率を落とさず、確実に作業を遂行することが可能になった。

レバーレスツール
レバーレスツール

 また作業工程中、重要なポイントごとに機械が自動的に一時停止する。次の作業に移るためには再度、「AUTOレバー」を操作しなければならない。これは作業者がそれまでの内容を確認することでヒューマンエラーを未然防止するもの。作業品質の向上と安全作業の遂行は、このような機構で図られている。

 竹内氏は上側のビード全周でドロップしたことを確認し、「AUTOレバー」を操作。タイヤが適正位置にセットされていることを確認し、再び「AUTOレバー」を操作。下側のビードを外し、タイヤを取り外した。

 タイヤの装着も、脱着作業と同様。ただ、テーブルの作動は「AUTOレバー」ではなく、ペダルにより操作する。これは作業性の問題。そのほうが確実で、作業しやすいからだ。サポートツールであるビードプッシャーを使いながら、竹内氏はタイヤを組み付けていく。テーブルが回転し、マウントツールによって、みるみるうちに組み上がる。

 「これまで難度が高いと言われていたランフラットタイヤでも、このように簡単に、労力を費やさずに、装脱着することができる。しかも、作業の熟練度合いに左右されず、誰もが確実に作業することができる。これがフルオートの一番の特徴だ」と、根來氏は説明する。

 整備サービス作業のスキル向上は、現場における重要テーマの一つ。フルオート機能により、それが果たされるのは大きなメリットに違いない。


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