東洋精器工業 4ホイールアライメントテスター「TD3000HP.B」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

リピーターづくりに一役

TD3000HP.B
TD3000HP.B

 燃費はもちろん、タイヤのライフに深い関わりを持つ一方で、直進安定性やコーナリング性能、そして快適性にも大きく影響する――それがホイールアライメントである。

 以前はマニアなど一部の限られたユーザーに知られていたものだが、近年は一般ドライバーへの認知度も高い。またタイヤ取扱店でも、収益性の高い整備サービス分野として意欲的にそれに取り組むところも増えてきている。月間100台規模でホイールアライメント測定をこなすというタイヤ専門店もあるほどだ。

 ただ、ホイールアライメント測定を行うときに、テスターのセットと実際の計測作業にあまりに時間を要するようだと、台数をこなすのはひと苦労。ユーザーの待ち時間が長くなってしまえばやがて、測定自体を敬遠されてしまうおそれすら生じてしまう。

 素早く手軽に、そして精度の高いホイールアライメント測定を行うことができないか――タイヤ整備の現場から上がったそのような声に対応するのが4ホイールアライメントテスターの新製品「TD3000HP.B」だ。東洋精器工業がこのほど、本格販売を開始した。

 「TD3000HP.B」は、イタリアの自動車整備機器メーカーの老舗、Ravaglioli(ラバリオリ)社製。高精度CCDセンサータイプの3Dアライナーだ。東洋精器・販売企画部の森本祐二さんに実演デモを行ってもらった。

クイックチェックシステム
クイックチェックシステム

 この新製品の最大の特徴として挙げられるのは「クイックチェックシステム」機能を搭載したこと(オプション)。フロントアライメントのトータルトゥとキャンバーの2つだけを測定し、それをアライメント調整の必要性を判定する基準とするもの。

 森本さんによると、専用のスタンドにセンサーをセットしておけばアライメントリフトなどの器具を何も使わず車両をスタンド位置に進入させるだけで、ものの3分もかからず測定値を得ることができるという。

 アライメント専用のピットレーンは当然として、タイヤ交換やオイル交換の作業ピットなど、ピットエリアが平らなところにセンサースタンドを設置することが可能。いつ、どのようなタイミングでも簡易チェックできるのが、その名が示す「クイックチェックシステム」機能なのだ。

 「たとえばお客様がオイル交換で来店されたとき。そのときのほんのわずかな時間を利用しチェックすることができます。実際の数値をご提示することで、アライメント調整の必要性を訴求することができます。逆に調整が必要のない数値であれば、お客様には次回の来店時に定期点検をお奨めすることで、リピート来店を促進することができます」――森本さんはこのように「クイックチェックシステム」の利点を説明する。

新クランプ
新クランプ

 数値ほど説得力の強いものはない。調整の必要性をアピールできる上、調整後の効果も実感しやすい。アライメントを経験したことのないユーザーに、その入口を大きく拡げる役目を果たすツールとなりそうだ。また、過去にアライメント調整を行った車両のデータを蓄積できるので、経年変化や事故の影響の有無などの診断も可能。基礎データとして活用することで、リピーターづくりの貴重な武器となる。

 「TD3000HP.B」のもう一つの特徴は〝省スペースでコンパクト〟。CCDセンサータイプの3Dアライナーは一般的に、カメラを据え付けるための固定ポストを必要とする。このカメラポストは大掛かりなものが多い。そのために設置スペースをとってしまうので、作業ピットのレイアウトなどが限定されるケースも見受けられた。

 しかし新製品は、ターゲットの間に3Dカメラを設置することで固定ポストを不要とした。治具を予めリフトに組み付け、測定時に治具にカメラを取り付けるだけで良い。森本さんは「ポストの場合、測定角度を考えるとリフトの高さは限定されていましたが、これは任意の高さに設定できますので、作業者はしゃがんだりするような無理のある姿勢をとらないで測定・調整作業ができます」と説明する。データはワイヤレスのBluetoothで送受信するので、ピットを這う通信ケーブルも不要としている。

CCDカメラ
CCDカメラ

 ターゲットは樹脂製で、重量は1.2kgと軽量化を図った。またクランプの爪も樹脂製。アルミホイールへの当たりを考慮したもの。クランプのタイヤへの装着は独自のクイック機構により早くてスムーズ。「軽くて取り付けが簡単。これに慣れてしまうと、もうほかのクランプには戻れません」と、森本さん。

 ランナウト補正が容易なのも3Dアライナーのウリ。「TD3000HP.B」はクルマを前後に動かす距離がタイヤ角度で15度と非常に少ない。「リフトのフロントターンテーブルの範囲で作業が終わります。意外かもしれませんが、ターンテーブルから出るのと出ないのとでは作業者への負担が大きく変わってきます。この15度という転がり角度が作業性向上に貢献します」、そう付け加え説明してくれる。

 クイックでコンパクト。ユーザーへのアプローチ性を高めた「TD3000HP.B」。ホイールアライメントをより身近なものにするテスターと言えそうだ。


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