住友ゴムグループ タイ工場の生産能力を大幅増強

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カテゴリー: レポート, 現地

 住友ゴムグループが推進するグローバル最適生産体制の中で、タイ工場(スミトモラバータイランド)は、欧米やアジアへの輸出拠点として重要な役割を担う。工場建設当初から総額約1000億円を投じ、数年のうちに世界最大規模のタイヤ工場へと拡張する計画だ。加えてタイ国内での日系カーメーカーへのOE供給、リプレイス販売においても高い技術力と品質で、着実にシェアを拡大している。同社は9月16日、現地でプレス向け工場見学会を実施した

2012年に日産7万本 世界最大規模の工場へ

池田専務執行役員
池田専務執行役員

 「世界各国の自動車・部品メーカーが集中し、産業が飛躍的に発展するこの地域――東洋のデトロイトと呼ばれるタイに進出し、成長・拡大していかなければタイヤメーカーとして地位が危ういという認識を持ち工場を設立した。また当工場は世界へのタイヤ供給基地として急拡大してきた。今後も“この工場を世界一の規模にする”という強い意志を持って事業を展開していく」――見学会に出席した住友ゴム工業の池田育嗣取締役専務執行役員は、タイ工場の位置付けをこのように説明する。

 スミトモラバータイランドは2005年5月に設立。新工法「太陽」を導入した第1工場が2006年11月に生産をスタートした後、翌年10月には大量生産に対応する従来工法を採用した第2工場を稼働した。

 工場は設立当初から積極的な設備投資を進めてきた。その結果、今年6月末時点での生産能力は、PC用ハイパフォーマンスタイヤを生産する第1工場が日産1万7150本、PC用およびバン・4WD用タイヤを生産する第2工場が同1万7550本で計3万4700本となる。

タイ工場外観
タイ工場外観

 今後も設備拡張は継続していく予定で、グローバル供給拠点として確固たる体制を築き上げていく方針だ。「生産能力は2010年末に日産4万本、2012年末には同7万本の規模まで拡大する見込み。さらに最終的には最大で日産10万本規模まで引き上げることが可能」(スミトモラバータイランドの長畑亨社長)だという。現在、欧米を中心に約8割が輸出されているが、タイに工場を持つ日系カーメーカーへのOE供給も順調に推移している。

 またタイ国内での販売も好調だ。2006年9月に営業を開始したダンロップタイヤ・タイランド(鈴木辰治社長)は、取り引き先の拡大やブランド認知度向上に努め、販売基盤を確立。ダンロップブランドを取り扱う店舗数はこの4年間で倍増し、2012年には市場シェア12%を目指す。

 住友ゴムグループが取り組むグローバル最適生産体制の構築、販売体制強化の中で、コスト競争力に優れ、為替変動リスクを低減する観点からもタイ工場の役割は今後、一段と重みを増してくる。

世界各国へのタイヤ供給拠点として拡大

 住友ゴム工業のタイ工場「スミトモラバータイランド」は、タイの首都バンコクの中心地から南へ150km、車で約2時間ほどのラヨーン県アマタシティ工業団地内にある。

  2005年の工場建設から丸5年を迎えた9月上旬には、三野哲治社長を始めとした同社幹部が出席し、5周年の記念式典が開催されたばかりだ。

生産能力の推移
生産能力の推移

 スミトモラバータイランドは2006年に稼働を開始後、継続的に設備拡張を図ってきた。敷地面積(58万5000平方メートル)は、白河工場(福島県)と同等規模だが、工場として活用できる面積は、ここタイ工場がグループで最大だという。現在でも敷地内で工場として利用している面積は6割程度のため、設備拡張の余地は大きい。

 工場は大きく第1工場と第2工場に分かれてレイアウトされている。2006年11月に操業を開始した第1工場は、同社が「太陽」と呼ぶ新工法を取り入れた。コンパクトなユニット単位で稼働するため、高品質かつ高い生産性を実現した。現在6ユニットが稼働している。一方、2007年10月に操業を開始した第2工場では、大量生産に対応するため従来工法を導入している。

 生産品目は第1工場がPC用ハイパフォーマンスラジアルタイヤ、第2工場がPC用ラジアルタイヤ、バン・4WD用タイヤとなっており、今年6月末時点での生産能力は、両工場を合わせ日産3万4700本。

 来年以降も増強が予定されており、総投資額は1000億円に達する見込みだ。現在、計画されている設備拡張は、第1工場がユニット棟の追加やゴム練り、補強材を作る素材工程の増築、第2工場が第2棟の建設となっている。工場の拡張に伴う生産能力は、今年末に日産4万本、2011年に同5万本超、2012年末には同7万本まで引き上げられる。


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