トーヨーリトレッド 事業を強化 一層の品質向上と生産の効率化を

一層の品質向上と生産の効率化図り、新品とパック展開

 東洋ゴム工業は3月24日、非連結子会社である有限会社サッポロトーヨーリキャップ(北海道小樽市=STR)の事業を、更生タイヤ製造の持分法適用子会社、トーヨーリトレッド株式会社(新潟県糸魚川市=TRT)へ4月1日付で譲渡・事業統合すると発表した。今回の東洋ゴムグループのリトレッド事業強化の報に接し、本紙は3月29日にTRT本社を訪ね、(株)高瀬商会(本社・糸魚川市)の高瀬吉洋社長と高瀬昌洋常務取締役、後藤高根TRT社長、それにリトレッドタイヤの販売を担当する(株)トーヨータイヤジャパンの菅野孝志取締役生産財販売部長を交え、TRTのリトレッド事業の現状と展望を聞いた。

トーヨーリトレッド
トーヨーリトレッドの工場

 リトレッドタイヤは近年、省資源や二酸化炭素排出量削減といった環境意識が高まっていること、また景気低迷の局面を受けコスト削減への志向が強まっていることなどを背景に、その需要は堅調に推移。タイヤメーカー各社も新品タイヤとリトレッドタイヤをセットにしてトータルでコストの削減を提案するソリューションビジネスを積極的に展開しており、リトレッドタイヤ市場は拡大する傾向をみせている。

 そのような中、東洋ゴムでは、これまでTRTとSTRに分散していたリトレッドタイヤ事業を統合することで、グループとして製品品質の一層の向上と生産性の改善を図り、製品の供給の安定化とコスト合理化を目指すものだ。

 TRTに対等出資している高瀬商会の高瀬吉洋社長は、今回の事業統合について、「STRとはこれまでも協力関係にあり、グループの一員同士としてリトレッドタイヤの委託生産や技術的な指導などを行なってきていた。今後はTRTの小樽工場として生産を継続し、品質の均一化と生産効率の向上を図っていく」と話す。

4人
(左から)高瀬氏、菅野氏、後藤社長、高瀬社長

 STRの生産量はこれまで年20000本規模だったが、小樽工場ではそれを年2万5000本程度に引き上げる方針。また、生産効率もTRTを指数10とすると、STRはそれに満たないことから、今回の統合で「3年以内を目処に本体と同等レベルに到達させたい」(後藤高根社長)考えだ。また高瀬昌洋常務によると、TRTが北海道市場へ投入するボリュームは全生産量の20%ほどだという。それを小樽工場でまかなうことができれば、輸送費をはじめとするコストの削減が期待できる。

 さらに、小樽工場は降雪地区におけるリトレッドタイヤの生産拠点となることから、同工場をスタッドレス専門のリトレッド工場とするプランも想定される。TRTではそれも視野に入れつつ、今後の市場の推移に応じてフレキシブルに対応していく構えだ。

 TRTでは現在、ベース部に発熱の低いゴムを、キャップ部にトレッドパターンに合った最適なゴムを採用する「2層構造コンパウンド」を搭載し、より新品タイヤの性能に近付けたリトレッドタイヤを「リモールド方式」で生産している。このリトレッドタイヤはタイヤの発熱が従来品に比べ約10%低下し、転がり抵抗を低減。タイヤのライフが7~8%向上するとともに、スチールベルトの耐久性も大幅に向上させている。

 同社が導入しているオービトレッド成型による「リモールド方式」はユニフォミティをはじめトータルバランスで優位性を持つが、今後は低燃費性を前面に押し出し、〈エコ・リトレッドタイヤ〉戦略で市場における一層のポジションアップを図る考え。そのため、さらなる低燃費性を実現する製法や部材などの開発を東洋ゴムの技術陣営と一体で推進していくとしている。

 高瀬社長は「TOYOのケーシング(台タイヤ)は、海外のリトレッド専門誌の調査等で明らかにされているように、世界的に評価が高い。このケーシングの優位性を活かし、TRT製リトレッドタイヤの低燃費性と品質の高さを訴求したい」と話す。

 一方、リトレッドタイヤの需要増加に対し台タイヤ不足が顕著となっている現状だが、この問題については、ユーザーが自身で使用したタイヤをリトレッドタイヤに加工して提供する「委託更生加工」の比率を上げ対応していきたいとしている。

 TTJの菅野取締役によれば、東洋ゴムでは北米市場をビジネスモデルとした、新品タイヤとリトレッドタイヤのパッケージによるトータルソリューションを展開していく考えという。特に「委託更生加工」のメリットを訴求し、安全面とコスト面の観点から推奨していく方針だ。


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